TVドラマ オリジナル作品増加傾向加速か「セクシー田中さん」原作者急死余波

[ 2024年2月2日 05:00 ]

「セクシー田中さん」第1巻 書影

 昨年10月期放送の日本テレビドラマ「セクシー田中さん」の原作者で漫画家の芦原妃名子さん(享年50)が急死したことを受け、テレビ各局に波紋が広がっている。今後のドラマ制作に影響が及ぶ可能性もありそうだ。

 現在、在京民放では深夜も含め約40本のドラマが放送中。その約半数が、小説や漫画などの原作がある作品だ。テレビ局関係者は「原作があると物語に見通しがつくため、テレビ局内で企画が通りやすい。原作ファンが見てくれるので視聴率が上がるかもという思惑もある」と指摘する。

 ただ、最近は原作ありきのドラマ作りを見直す動きもあった。同関係者は「TBSの『VIVANT』がヒットしたように物語の結末が分からないオリジナル作品の方がやはり話題になりやすい」と語る。さらに、海外展開や動画配信を通じて新たな収益を獲得しようとする狙いにもつながっている。

 日本テレビが2010年に放送した「Mother」は、16年にトルコでリメークされ大ヒット。同関係者は「リメーク権は数億円で売れたと聞いている」と明かす。一方、原作のあるドラマは同じように海外でヒットした場合でも、その利益のほとんどが出版社に流れる。放送関係者は「動画配信サービスも盛り上がっており、今は各局がオリジナル作を強化し知的財産ビジネスにつなげようとしている」と指摘した。

 実際にTBSでは、現在プライム帯で放送されているドラマ3本がいずれもオリジナル作品。フジテレビもヤングシナリオ大賞を運営し、受賞者を積極的に主要枠の脚本に抜てきするなど若手クリエーターの育成を進めている。民放関係者は芦原さんの急死について「原作のある作品を映像化することの難しさに改めて気づかされる悲しい出来事だった」と語り「今回のことをきっかけにテレビ各局は、ドラマ制作の過程を見直さなければならない。オリジナル作品に力を入れ、漫画や小説の安易なドラマ化に慎重になる流れができるかもしれない」とした。

◆いのちの電話
【相談窓口】
「日本いのちの電話」
ナビダイヤル 0570(783)556
午前10時~午後10時
フリーダイヤル 0120(783)556
毎日:午後4時~同9時
毎月10日:午前8時~翌日午前8時

続きを表示

「美脚」特集記事

「STARTO ENTERTAINMENT」特集記事

2024年2月2日のニュース