ルテイン補給を“ルーティン”に 酷使されている現代人の目…視力の9割担う黄斑部の色素を補う栄養素

[ 2023年9月22日 05:00 ]

ルテインが豊富に含まれる食材・花
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 芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(72)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。今回は、目に欠かせない栄養素「ルテイン」についてです。

 皆さん、こんにちは、生島ヒロシです。残暑が厳しいですね。まだ太陽がギラギラしてます。太陽光もですけど、私たちはいまやスマホ、パソコンを見ない日はないですから、目への負担が心配。今日は、そんな目に欠かせない栄養について考えましょう。東京都江戸川区の二本松眼科病院副院長で、眼科専門医の平松類先生に教えていただきます。

 私たちの体の各部位には、それぞれ必要な栄養素があります。平松先生、目にはどんなものがあるんでしょうか。

 「ルテインです。眼科医が最も薦める栄養素で、黄色い色素を作り出します」

 目に、どのように効くんですか。

 「目の奥には黄斑という部分があります。光を全部受け止めている場所で、視力の8~9割を担っています。ここにある黄斑色素は、40代を超えると減っていき、体内で作ることができません。これを補ってくれるのがルテインです」

 黄斑は大事なんですね。

 「黄斑は光のダメージを消去してくれる場所。青色光の40~90%を消去してくれます。いわゆるブルーライトをカットしてくれるので“黄斑色素は天然のサングラス”と言われているのです」

 天然のサングラスですか!これはしっかりケアしないといけませんね。

 「ルテインには目の黄斑と水晶体に集まりやすい性質があります。水晶体がルテイン不足になると白内障、黄斑がルテイン不足になると加齢黄斑変性という病気になります。加齢黄斑変性は日本人の失明原因の4位。ルテイン不足だけでなく、脂質の多い食事、喫煙、男性がなりやすいという特徴があり、注意が必要です。アムスラーチャート(別掲)という、ご自身でできる簡易チェックがありますので、定期的になさることをお勧めします」

  平松先生、ルテインはどのように摂取するのがいいですか。

 「1日10ミリグラムほどを目標にしてください。サプリメントでもいいですが基本は食事から。ケールやゴーヤー、ホウレンソウなどの緑黄色野菜、卵黄に多く含まれています。ホウレンソウのおひたしなら、手のひらに乗るくらいの量で1日分がとれます。花のマリーゴールド、菊も色から分かるとおりルテインが豊富です」

 花ですか!確かにマリーゴールドはサプリメントがありますね。菊も食用が売られています。

 「ルテインは脂溶性で、油に溶けやすい性質があります。ですから、おひたしよりは、ナムルや油炒めの方が吸収効率はいいです。ただし、カロリーには気を使ってください」

 ゴーヤー、たまごがいいってことは、ゴーヤーチャンプルーなんて最強じゃないですか!

 「かなりいいと思います」

 ビタミンやカルシウムは日々、意識していますけど、これからはそこにルテインも加えます。

 「加齢黄斑変性の予防には、ルテインが一番です。白内障のお話はしましたが、ルテインにはほかにも、緑内障、近視、糖尿病網膜症、網膜色素変性といった目の病気ばかりでなく、脳神経、認知機能、うつ、心臓血管系にも効果があるというデータがあります。抗酸化作用があるからです。とにかく、ルテインは目に有効です」

 この夏の強烈な日差しでお肌のアフターケアは思い浮かんでも、目のケアはおろそかにしがち。平松先生も「光を受ける黄斑部は当然、その細胞がダメージを受けます。黒い紙に虫眼鏡で太陽光を集めるようなもの。細胞がダメージを受け、また新しくなってを繰り返しているのです」とおっしゃっていました。ルテインをしっかり補給し、大切な黄斑に栄養を送り込みましょう。


 ◇生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の72歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。健康に関する名物コーナーに登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。75歳の現役医師・鎌田實さんとの共著「70歳からの“貯筋”習慣」(青春出版社)が販売中。

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