猿之助容疑者 供述も新たな疑問 要介護状態の父に2種類の薬品どう飲ませたのか…

[ 2023年6月29日 05:10 ]

市川猿之助容疑者
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 母親に対する自殺ほう助容疑で逮捕された歌舞伎俳優の市川猿之助(本名喜熨斗=きのし=孝彦)容疑者(47)が「睡眠薬を砕いて水に溶かして両親が飲みやすいように用意した」という趣旨の供述をしていることが28日、捜査関係者への取材で分かった。事件発覚前日の5月17日には自殺方法をインターネットで検索していたことも判明。逮捕後に「私に関する記事が週刊誌に掲載されることを両親に話したところ、家族3人で次の世界に行こうとなった」と供述したことも分かった。

 警視庁は記事が出ることを知って思い詰めた猿之助容疑者が、17日の家族会議で心中を決意。手元にあった睡眠薬を用いて計画的に犯行に及んだとみて調べている。

 猿之助容疑者と、母親喜熨斗延子さん(75)、父親市川段四郎(本名喜熨斗弘之)さん(76)の遺体からは、猿之助容疑者が過去に処方されたものと同じ2種類の睡眠薬の成分が検出されている。要介護状態の段四郎さんに致死量になるほどの薬をどうやって飲ませたのかが捜査ポイントの一つだったが、この日明らかになった供述から、猿之助容疑者が用意した状況が浮かび上がった。一方、新たな疑問点も浮上した。

 (1)相当量の水必要? 
 猿之助容疑者が処方されていた睡眠薬は比較的作用が強いものと、軽めのもの。法科学研究センターの雨宮正欣所長によると「文献による致死量は6000錠」という。水に溶かしたとしても相当量の水が必要で、高齢の両親が摂取するのは困難だ。

 (2)道具はどこへ? 
 雨宮氏は「睡眠薬を砕くために使用した道具や、水を飲んだコップには成分は残るのでは」と指摘。猿之助容疑者は「後始末を自分が行うことになった」と供述しており、使われた道具はどのように後始末されたのか。

 (3)ネット検索でなぜこの方法?
 雨宮氏によると「処方薬をネット検索すると“死ねない”という情報の方が多い」という。「わざわざ検索してなぜこの方法を選んだのか」(雨宮氏)と疑問は残る。

 雨宮氏は「体調や体格、状況などいろいろな条件が重なって猿之助容疑者は助かり、両親は亡くなったのだと思うが、供述で全てがふに落ちるわけではない」とした。両親の死因はいずれも向精神薬中毒の疑いだった。警視庁は今後、猿之助容疑者が段四郎さんの死亡に関与した疑いでも調べを進める。

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