大竹しのぶ“母”に感謝 奈良岡さん死去に悲しみの声広がる 石井ふく子氏「信じられない…」

[ 2023年3月30日 04:45 ]

大竹しのぶ
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 新劇界を代表する演技派女優で劇団民芸代表の奈良岡朋子(ならおか・ともこ)さんが23日午後10時50分、肺炎のため東京都内の病院で死去した。93歳。

 奈良岡さんを母のように慕っていた女優の大竹しのぶ(65)は「“しのぶ、どうしてるの”という声が、今も聞こえてくるようです」と思いをはせた。

 大竹が17歳の時にヒロインを務めたNHK連続テレビ小説「水色の時」(75年)などで共演。「17歳の時に出会い、たくさんのことを教えていただきました。役者として、人として。お食事に行っても話し足りず、いつもおうちにお邪魔していろいろな話をしました」と明かし「いつまでたっても追いつくことはできないカッコいい方でした」と悼んだ。

 奈良岡さんの芝居を見て、大竹が泣きながら電話をかけたこともあったといい「“あなたの何倍もやってるんだから少しは良くなくっちゃね。でもまだまだだと思いながらやってるのよ”という言葉、忘れません」と振り返った。「寂しいけれど“しのぶ、ちょっとは良くなったわね”と言われるように頑張ります」と誓った。

 ▼石井ふく子氏(プロデューサー)信じられないというコメントしかできません。奈良岡さんとは同じマンションに住んでいました。果物などを買って、奈良岡さんの部屋のドアノブに掛けておくと「ありがとう」と電話がかかってきました。きっちりとされた方で、自分に厳しい方でした。病気のことは周りにも相談されていなかったと思います。

 ▼仲代達矢 奈良岡朋子さんと共演した「ドライビング・ミス・デイジー」では、ほとんど5年近い歳月、日本各地で300ステージを超える舞台をご一緒させていただきました。同じ戦後の華やかなりし「新劇」世代ですが、彼女は私よりも2、3年先輩で、私が俳優座の養成所に入った頃には、既に新劇界の輝くスター的な存在で、我々の憧れの的でもありました。「ドライビング…」で一緒になった時も、古い友人に会ったような親しさがあり、繊細でこまやかな彼女の心理描写には学ぶことが多かったものです。

 ▼西田敏行(「釣りバカ日誌」シリーズで共演)日本の演劇界は大変な宝を失いました。まさしく名優でした。演劇、映画、テレビ、ラジオに遺(のこ)された功績は我々後輩の追随を許さぬ偉業でした。ご冥福をお祈りします。

 ▼石川さゆり(深い親交)良い芝居とは。歌とは、いろいろなことを教えてくださいました。驚きと寂しさでいっぱいです。

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