「どうする家康」初回 まさかのBL展開?台詞回しやCG“新しい大河”NHK会長も評価「価値ある挑戦」

[ 2023年1月11日 05:10 ]

大河ドラマ「どうする家康」で徳川家康を演じる松本潤(C)NHK
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 8日放送のNHK大河ドラマ「どうする家康」(日曜後8・00)の初回の平均世帯視聴率は、15・4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だった。前作「鎌倉殿の13人」の17・3%から1・9ポイントダウン。家康のお膝元、静岡県は22・7%で09年の「天地人」以来の最高値を記録した。

 2018年の「西郷どん」と並ぶ数値で、89年の「春日局」の14・3%に次ぐワースト2位タイとなった。その要因を、同局関係者は「大胆な演出も多く、これまでの大河ファンにとっては受け入れにくかったのでは」と分析する。とはいえ、配信サービスが急伸し視聴環境が激変した昨今の数値としては「そこまで悪くはない」との声もある。関係者は「NHKプラスの初動は好調で、ネットでの視聴者は多かったようだ」と明かしている。

 同作は、嵐の松本潤(39)演じる徳川家康が、名だたる戦国武将にもまれながら天下人になる姿を描く。脚本はフジテレビ「リーガル・ハイ」などで知られる古沢良太氏(49)で、初回から家康の結婚、桶狭間の戦い、今川義元の討ち死にが描かれるスピード展開だった。従来の大河の枠にとらわれない試みもあり、合戦シーンはバーチャルプロダクションを使用した最新CG技術を駆使。せりふ回しも現代語風で、岡田准一(42)演じる織田信長が「待ってろよ、俺の白うさぎ」と家康を思うシーンも話題に。「まさかのBL(ボーイズラブ)展開?」とSNSが沸いた。

 こうした試みに従来のファンがなじめなかった恐れもあるが、逆に大河に触れてこなかった層を開拓するチャンスとの見方もある。関係者は「家康の人生には、本能寺の変、関ケ原の戦いなど誰もが知るヤマ場が今後もたくさんある。作風が受け入れられれば、視聴率が上向く可能性は十分」と指摘している。

 10日の定例会見では、前田晃伸会長が作品について言及。「新しい技術を使っていて、今までと違った作りになっているのを感じた。価値のある挑戦だった」と評価。前田会長は今月24日で任期満了とあり、「どうするNHKと言われないよう、これからも番組を作ってもらいたい」とエールを送った。

 ≪スポニチ大河絵 家康Ver.15日から≫ 昨年の「鎌倉殿の13人」は三谷幸喜氏の脚本で一年を通じて話題となった。本紙ウェブ版「スポニチアネックス」では、1話ごとに放送内容をまとめた「前回の鎌倉殿の13人」を掲載し、イラストレーター石井道子さんが手掛けたイメージイラスト「鎌倉絵」も人気を博した。1年間の放送を終え、登場人物を網羅した「スポニチ大河絵巻」もネットやSNSなどで多くの注目を浴びた。なお「どうする家康」も15日から石井さんのイラスト連載がスタートする。

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