羽生九段に“逆襲の盛り上げ駒”「永世王将」獲得の07年CM出演で使用の品サプライズプレゼント

[ 2023年1月11日 05:05 ]

羽生九段に駒を手渡す門脇志麻子さん(撮影・西尾 大助、小海途 良幹、河野 光希)
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 静岡県掛川市で8、9日に行われた将棋の第72期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負第1局で藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=に敗れた羽生善治九段(52)にサプライズプレゼントが届けられた。

 掛川市在住の自営業、門脇志麻子さん(54)が10日朝、帰京前の羽生を表敬訪問。15年前に亡くなった門脇さんの父・田中弘光さん作製の盛り上げ駒を寄贈した。

 この駒は2007年に羽生が缶コーヒー「ネスカフェ 匠 香煎造り」のCMに出演した際、当時東京都内で飲食店を営んでいたアマ初段の弘光さんが撮影用に提供したもの。羽生は同年3月に王将位を防衛し通算10期獲得で「永世王将」の資格を得ている。12月には公式戦通算1000勝を最年少の37歳2カ月で達成するなど思い出深い年だった。

 駒はCM撮影後、長女の志麻子さんが保管していたが「押し入れにしまっておくだけではもったいない」と、以前から譲渡を希望していたという。

 結婚を機に掛川市に移住した志麻子さんは今回の王将戦で羽生が来訪することを知り、地元関係者を通じてコンタクトを取った。対局中の2日間は掛川城敷地内で行われたマルシェで肉まん販売店を出店し、ドリームマッチの盛り上がりにも貢献。待望の対面を果たし「父も喜んでいると思います」と感慨深げ。駒を受け取った羽生は「自作なんですか?それは凄い。大切にさせていただきます」と頭を下げていた。

 ▽盛り上げ駒 文字を彫り、その跡に漆を重ねて埋め、さらに塗り重ねて文字を浮き立たせた駒。「将棋駒の華」とも呼ばれ、駒の中では最高級品。名匠の手掛けたものは、100万円を超えることもある。

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