羽田美智子 目の当たりにした“芸能界の母”野際陽子さんの演技への執念「後ろ姿が侍に見えて」

[ 2021年6月29日 16:04 ]

羽田美智子
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 女優の羽田美智子(52)が29日放送のテレビ朝日系「徹子の部屋」(月~金曜後1・00)にゲスト出演。17年に死去した女優・野際陽子さん(享年81)との思い出を語った。

 共演暦が長く、野際さんを“芸能界の母”として敬愛していた羽田。デビュー当時、長丁場のドラマで親子役を演じたときには、ストレスで円形脱毛症ができた。悩んでいると、野際さんが「そんなの私だってあるわよ」と自身の円形脱毛症を見せてくれ、、「野際さんでもそんな思いをしてなさってたんだ」と思ったという。「本当にいろんなことを教えて下さいました」と語った。

 野際さんにがんを告白されたときの様子も明かした。撮影中に野際さんののどの様子がおかしいと感じて聞いたものの、そのときは野際さんはがんとは言わずに「風邪が長引いてるのかなと言うくらいだった」。だが羽田が2週間の地方ロケに行き戻ってくると楽屋に呼ばれ、「実はみっちゃんがロケに行っている間に手術してきたの」と肺がんであることを打ち明けられた。「ぞっとして、泣き出しちゃった」羽田に野際さんは「あなたに言うと泣くからね。言うの迷ったのよ。あんまり悲しいこととか思わないで。しようがないことなんだから」、背中の手術跡も見せてくれたという。

 野際さんはそれでも撮影に臨み、羽田は「発表して、降板して、休んでください」と懇願したが、「そういうわけにはいかない。仕事を引き受ける責任なのよ。やるからには私は戦う。現場でフォローしてね」と返された。「あの傷を背負って着物を着て、現場に向かう後ろ姿が、侍に見えて。野際さんって武士なのかな、って思って」と羽田。野際さんは楽屋では「しんどい」ともらしていたが、周囲のスタッフには「大丈夫」と言い続け、「先輩の背中を見せていただいたというか。この人を守り切りたいけど、私で守れるんだろうかと思ったり。いろいろあったんです」とした。

 「本当にチャーミングで、面白いんですよね。このころ私は40代で、将来野際さんみたいになりたいと思っていたんですよ」と話したが、「50代になって自分の体が変化してきたときに、自分が80の時に野際さんのような仕事ができるんだろうかと凄い自信がなくて。改めて凄い事をなさってたんだなと」と改めて感心した。

 野際さんは「病院にお見舞いに行くと病院を自分のお部屋のようにかわいくしつらえていた」とも明かした羽田。死去する直前には肺炎にかかって入院していたとし、最後に話をしたのは、死去する1週間前だったという。「まだ全然お元気だったんです。『肺炎おきちゃったんだ』って」と振り返った。

 印象的だった野際さんのアドバイスは、40代、50代をどう生きるべきかと質問した際の「とにかく女性は40代後半に変わり目がくる。更年期がくるから、焦らないこと。暇を見つけては良く寝ること」という言葉だとした。「決して無理するな、40代後半から50代をキレイに乗り越えると、素晴らしい60代が待っているから」とも言われたとし、「気を付けるようにしてます。あんまりくよくよしないで。また何かの時に野際さんだったらなんて答えてくれるかと想像しながら過ごすと、結構潔い答えが見つかったりして。本当に素晴らしい先輩に出会えるというのは人生の一番のご褒美かなと思います」としみじみと話した。
 

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2021年6月29日のニュース