木村花さんの母・響子さんが涙 テラハへのBPO見解に「人権侵害が認められなかったのは悔しい」

[ 2021年3月30日 18:30 ]

涙ながらに記者会見する木村響子さん                               
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 フジテレビのリアリティー番組「テラスハウス」に出演し、昨年5月に亡くなったプロレスラー・木村花さん(享年22)の母・木村響子さん(44)が30日、「テラスハウス」に関する放送倫理・番組向上機構(BPO)放送人権委員会の見解発表を受け、都内で記者会見した。

 人権委は「放送倫理上の問題があった」としながらも「人権侵害があったとまでは断定できない」と結論。響子さんは「人権侵害が認められなかったのは、凄く歯がゆく、悔しい」と涙ながらに不満をあらわにした。

 響子さんは「きょう3月30日は、花がプロレスデビューした記念日。たくさんのファンの人に花を贈ってもらえるような日。そんな日に残念」と無念の思いを吐露。「花はここにいないので、事実を証明することが難しい。フジ、制作会社は都合のいい説明ができる。視聴率のために誹謗中傷を誘導する番組作りをしたフジと制作会社の責任を問いたかった」と話した。

 これまでのフジとの関係について「連絡はいただいたが、お会いしたことはない。不信感が強かった。テレビ局、プロデューサーから手紙を頂いたが、響く言葉がなかった。責任の言及もなかった。補償の話はされていない」と説明。今回の結果についての花さんへの報告に関しては「きょうの結果では申し訳ない。まだ報告できない。いい報告ができるようにこれからもやってきいたい」と心情を明かした。

 響子さんは昨年7月、番組で花さんが暴力的な女性のように描かれたなどとして、人権侵害と放送倫理違反があったとする申立書を人権委に提出していた。人権委は昨年9月に審議入りを決定。審議の結果、昨年3月の番組先行配信後に誹謗中傷が相次ぎ、自傷行為に至る事態が生じていた中、5月に番組を放送した過程で「出演者の精神的な健康状態に対する配慮に欠けていた点で、放送倫理上の問題があった」とした。

 代理人の渥美陽子弁護士は今後の対応について「さまざまな可能性を検討中」と話した。

 また、響子さんらは会見後、NPO法人「Remember HANA(リメンバー ハナ)」の設立を準備していることを発表。設立趣旨として「1人でも多くの方々が被害者にも加害者にもならず、インターネットを笑顔で使える優しい世界を目指したい」としており、響子さんは「花のために何かできることがあるのではないか」と話した。5月に千葉県内の中学校で、この問題に関する授業を予定しているという。

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2021年3月30日のニュース