テラハ木村花さん問題、BPOが見解発表 フジテレビに「放送倫理上の問題があった」 人権侵害は認めず

[ 2021年3月30日 15:46 ]

木村花さん
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 フジテレビのリアリティー番組「テラスハウス」に出演していたプロレスラー木村花さん(享年22)が視聴者から誹謗(ひぼう)中傷を受けた後に死去し、遺族が人権侵害を申し立てた事案で、放送倫理・番組向上機構(BPO)は30日、「放送倫理上の問題があった」との見解を発表した。人権侵害は認めなかった。

 花さんの母・響子さんが昨年7月、番組で花さんが暴力的な女性のように描かれたなどとして「人権侵害があった」と訴える申立書をBPOに提出。BPOの放送人権委員会は同年9月16日までに、審理入りを決めた。フジテレビは、番組で「女性を暴力的に描いていない」などと主張するとともに、社内調査の結果を基に「人権侵害は認められない」と反論した。

 委員会は30日、審理の結果「人権侵害は認められない」としたが、花さんに精神的な負担が生じることが明らかである本件放送を行うとする決定過程で、出演者の精神的な健康状態に対する配慮に欠けていた点で「放送倫理上の問題があった」と判断した。

 リアリティー番組について「制作・放送を行うに当たっての体制の問題を、課題として指摘せざるを得ない」とし、フジテレビには本決定を真摯に受け止めた上で、花さんの死去後に自ら定める対策を着実に実施し、その効果の不断の検証を踏まえて改善を続けるなどして再発防止に努めるとともに、本決定の主旨を放送するよう要望した。

 また、放送界全体にも「本件及び本決定から教訓を汲み取り、木村花氏に起こったような悲劇が二度と起こらないよう、自主的な取り組みを進めるよう期待する」とした。

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2021年3月30日のニュース