イエモン コロナ禍後初のドーム公演 1.9万人歓声NG、拳突き上げ 吉井「勲章として刻みたい」

[ 2020年11月4日 10:55 ]

東京ドームで有観客ライブを開催したTHE YELLOW MONKEY
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 ロックバンド「THE YELLOW MONKEY」が3日夜、結成30周年記念ライブを東京ドームに入場者数上限の観客1万9000人を集めて行った。新型コロナウイルスの感染拡大後、ドーム会場での有観客公演は初めて。感染防止対策のため、最大収容の半分にも満たない観客動員となったが、ボーカルの吉井和哉(54)は「イエローモンキーの勲章として歴史、年表に刻みたい」と胸を張った。

 ファンだけでなく、エンターテインメント業界全体が注目する歴史的な一夜。眼前に広がった大観衆を前に吉井は「このドームクラスでやるのは日本で、いや世界で初めてだと思う。スタッフの気配りや努力があって今夜がある」と、特別なステージであることを強調した。

 本来なら初のドームツアーの最終公演として4月4、5日に開催予定だったが、コロナ禍で延期となった。2日間で計約10万人を動員予定だったが、この日の公演は安全対策で客席を1席ずつ空けたため、プロ野球・巨人戦の開催時と同じ1万9000人。とても1回の開催では採算が取れないとみられるが、吉井は万感の思いを込めて話した。

 「皆さんに支えられてここまでファンと歩んできたバンドです。今回の東京ドームは本来望むべき形じゃないかもしれないけれど、イエローモンキーの勲章として、この日を自分の年表、歴史に刻もうと思います」

 2月11日の京セラドーム大阪公演以来となる9カ月ぶりのステージ。手拍子で迎えられた4人は嬉しそうな笑みを浮かべ、客席を見渡した吉井は「見た感じ満員だ」と興奮。「今夜は思いっきり楽しもうと思う。最高の夜にしたい」と約束した。

 コロナ禍の新スタイルで大観衆と対峙(たいじ)した。歓声禁止のためコール&レスポンスはできないと思われたが、吉井は「声はいらないから、体でください」と要求。「Oh、Yeah」のコールに観客は手を突き出して応えた。メンバーはステージ上を駆け回るも観客には近づかず、会場中央に設けたセンターステージも客席と4メートルほどの距離を取った。ステージ後方には15台のスクリーンを設置し、メンバーの表情を何度も映し出した。

 入退場時の感染予防策も徹底した。厚生労働省の接触確認アプリ「COCOA」のインストールは必須で、入場時にスタッフが観客のスマートフォンの画面を確認。入り口では手の消毒や検温を実施し、観客と接触がないよう、電子チケットにした。

 「JAM」や「SPARK」「追憶のマーメイド」などヒット曲オンパレードの2時間50分。インディーズ時代の「SLEEPLESS IMAGINATION」(91年)も披露するなど、結成時からの歴史を振り返っていくような全25曲の構成だった。

 東京ドーム公演は活動休止前の01年1月、再集結後の17年12月に行って以来、3回目になり、吉井は「40周年、50周年、またここでやらせてもらいたいなと思っている」と意欲。最後は「またやるぞ!」と叫び、ステージを立ち去った。

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