藤井聡太七段 初の王将戦2次予選進出 珍しい先手番の矢倉も「一つの戦法として有力と考えている」

[ 2019年6月22日 16:34 ]

王将戦1次予選4組決勝に勝ち、感想戦で対局を振り返る藤井聡太七段(右)。左は千田翔太七段
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 将棋の最年少プロ棋士、藤井聡太七段(16)が22日、東京都渋谷区の将棋会館で第69期大阪王将杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)の1次予選4組決勝に臨み、千田翔太七段(25)に91手で勝利。自身初の2次予選進出を決めた。

 振り駒で先手番を得た藤井は、角道を開ける珍しい初手を選択。クラシックな相矢倉定跡に進んだ。中盤で藤井が選択したのは、右銀で飛車先の突破を狙う「棒銀戦法」。加藤一二三・九段(79)が得意とし初心者にも親しまれる戦法で、端の1筋を突破した。千田は順位戦B級1組に所属する実力者。その千田の反撃がわずかに届かないと読み切ると、最後は長手数の詰みで一気に押し切った。

 藤井は初の王将戦2次予選進出。初出場の17年は1次予選決勝で菅井竜也七段(27)に、昨年は準々決勝で井上慶太九段(55)に敗れていた。

 2次予選は1次予選突破者7人に、タイトル保持者、順位戦A級棋士ら11人が参戦。18人が6人ずつ3つの組に分かれてトーナメントを戦う。佐藤天彦九段(31)や羽生善治九段(48)、斎藤慎太郎王座(26)ら実績のある棋士が加わる。シード権のない藤井が2次予選を突破するには、3勝が必要になる。

 挑戦者決定リーグ戦は各組の勝者3人に前期上位4人を加えた7人で、総当たりのリーグ戦を実施。最上位者が来年1月に開幕する7番勝負で、現保持者の渡辺明王将(35、棋王との2冠)に挑戦する。
 ▼藤井聡太七段 相手玉までの距離感がつかみづらい将棋で、最後まで難しかった。先手番での矢倉は公式戦で初めてかもしれないけど、一つの戦法として有力と考えているので採用した。(2次予選は)リーグ入りを目指して頑張っていきたい。

 ▼千田翔太七段 通ると思っていた中盤の手が通らなかった。相矢倉にはありがちな話で、あとは指しているだけになってしまった。

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