落合博満氏 09年に憲伸に代わり花開いた吉見をケガを承知で05年ドラフトで獲得した理由 

[ 2023年2月15日 17:35 ]

落合博満氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(69)が15日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。2009年にメジャー挑戦の川上憲伸に代わって16勝(7敗)を挙げ最多勝に輝くなどエース級の活躍で才能を開花させた吉見一起投手についての秘話を明かした。

 吉見が最多勝、チェン・ウェインが最優秀防御率にタイトルを獲得した09年。「ちょうど(川上)憲伸がいなくなった年じゃないのかな。で、吉見には“最多勝獲ったけどもエースとは言わないからな”って。“最低5年2桁勝ったらお前をエースとして認めてやる”っていうんであいつは必死こいて5年間、2桁勝つように頑張ったみたいだけどね」と懐かしそうに振り返った(吉見は前年の08年の10勝を皮切りに、09年16勝、10年12勝、11年18勝、12年13勝と5年連続で2桁勝利を記録した)。

 2005年のドラフトで大学生・社会人の希望枠で入団した吉見。トヨタ自動車時代にケガをしていることが判明していたが、それでも獲得した理由は何だったのか。落合氏は、はっきりとした口調で「“次の年(翌06年))にドラフト何位で消える?”って(スカウト陣に)言ったら、もう“1番で消えます”って言うんだ。で、今年(05年)だったらもう手を引いてるとこがあるだろうと。だったら1年目そんなに期待して獲るわけじゃないから。陸上選手でいいんだから。もう今年獲っちゃおうっていうことで(先を見越して)前倒しで獲ったよ」と当時のやりとり、考えを明かした。

 こうした経緯の選手は吉見だけではなく「そういう選手結構多いんだよ。大野(雄大)もそうだし、平田(良介)がそうだし、小熊(凌祐)がそうだしね。みんな1年目リハビリを兼ねて獲ったっていうのが、まあそこそこ活躍したっていうような」とオレ流のドラフト戦略の一端を垣間見ることができる“成功例”をいくつも挙げた。そして「そこまで慌てていなかったってことなんだろうと思う」という言葉に、監督・落合が当時の中日の練習量に裏付けされた選手層の厚さや強さに自信を持っていたことをうかがわせた。

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