広島・床田 黒田氏の金言胸に 復活への第一歩、195日ぶり打者と対戦“12人”に安打性わずか2本

[ 2023年2月15日 07:00 ]

今キャンプ初の実戦形式シート打撃に登板した床田(撮影・平嶋 理子)
Photo By スポニチ

 広島・床田寛樹投手(27)が復活への第一歩を踏み出した。日南キャンプ第3クール4日目の14日、実戦形式のシート打撃に初登板。右足首を骨折した昨年8月3日のDeNA戦以来、実に195日ぶりとなる打者との対戦ながら、“12人”に34球を投げて安打性はわずか2本だった。登板後は黒田博樹球団アドバイザー(48)から金言を伝授され、左腕は開幕に向けて意を強くした。

 床田らしい好テンポの投球だった。今春初のシート打撃登板で末包、羽月、宇草の3人と交互に4打席ずつ対戦し、34球を投げて安打性の当たりは2本。直球の最速が144キロにとどまっても、変化球を駆使して7個の内野ゴロを奪った。

 「もっと荒れるかなと思ったけど、普通にストライクが取れましたし、ゴロも打たせることができたので、良かったなと思います」

 打者と対戦するのは右足首を骨折した昨年8月3日のDeNA戦以来半年ぶり。ブランクは、しかし、全く感じさせない。おはこのパームで末包を力のない遊直に仕留め、「今日一番、手応えがあった」直球で宇草のバットをへし折った。

 投球を見守った黒田球団アドバイザーからは金言を伝授された。新井監督を交えた登板後の会話で“打者は詰まるのが一番嫌。1打席目に詰まらせたら、ほぼ勝ちや”とアドバイス。日米通算203勝の実績に基づく言葉は左腕に刺さった。

 「“詰まると次の打席で意識し、外の球が遠く見える”と。そういう考えはなかった。空振りを取りにいっていたけど、詰まらせるのはアリだな…と」

 右足首の患部は「少し痛いな…がある。でも中6日あるので、その間に回復させようと思っている」という。ダッシュやインターバル走はこなしても、長い距離は走ることができていない。スタミナは、今後の投げ込みでつける意向だ。

 「投げる体力と走る体力は一緒じゃない。投げるスタミナは、投げていけばおのずとつくと思う。(投球練習が)100球を超えることはあると思う」

 新井監督は、左腕の投球内容に「彼の場合は、ちゃんと投げられるかというだけ。問題ないでしょ」と目を細め、決して焦らないように…と付言した。

 「日南でやろうとしたことはできた。あとはベースカバーとバント処理。試合のテンションで突発的な動きがどうか。沖縄に行ってやるので問題ない、大丈夫だと思います」

 右足首骨折から復活に向けて踏み出した第一歩。レジェンドからは金言を授けられ、27歳が満開の笑顔を見せる日は確実に近づいている。

 《床田の故障からの経過》

 ▽22年8月3日 DeNA戦(横浜)で一ゴロを打った後の走塁で転倒し負傷交代。翌4日に広島市内の病院で「右足関節骨折」と診断され、シーズン中の復帰は絶望的に。

 ▽10月15日 マツダスタジアムで取材に応じ、23年のフル回転を誓う。「焦らず、万全で来年に臨めるように」

 ▽11月12日 大野練習場でリハビリを継続。患部は7割程度の力感でダッシュをできるまでに回復。

 ▽12月14日 2000万円増の推定年俸5000万円で契約更改。23年の目標は「2桁勝利、規定投球回、防御率2点台。今年もケガをしなければいけたと思う」

 ▽23年1月29日 マツダスタジアムで合同自主トレに参加し、約5カ月ぶりの投球練習。「投げることに関しては不安がない」

続きを表示

2023年2月15日のニュース