【有藤通世氏 視点】「戦闘モード」の佐々木朗と「調整モード」の村上 その差が鮮明に出た

[ 2023年2月15日 16:13 ]

練習試合   ロッテ―ヤクルト ( 2023年2月15日    糸満 )

<練習試合 ロ・ヤ>2回、村上を空振り三振に仕留める佐々木朗(撮影・沢田 明徳)
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 “侍対決”は令和の怪物に軍配が上がった。ロッテ・佐々木朗希投手(21)が15日、練習試合・ヤクルト戦(糸満)に先発。ともにワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の侍ジャパンに選出されているヤクルト・村上宗隆内野手(23)を160キロ直球で空振り三振に仕留めるなど、2回1安打5奪三振の好内容で今季の初実戦を終えた。スポニチ評論家の有藤通世氏が今季初実戦登板の佐々木朗の投球を解する。

 「戦闘モード」の佐々木朗と「調整モード」の村上。2回の侍対決ではその差が鮮明に出たと思う。

 佐々木朗はWBCに向けて既に完全な戦闘モードに入り、初回から「1球の隙も見せない」との投球スタイルだった。2回無死で村上を迎えた場面も、カウントを取るフォークと空振りを取るフォークで追い込み、最後は160キロの直球。日本一の打者に対して強気に内角に投げ込み、どう反応するかを見たかったはず。大いに手応えを得た1球だった。

 フォークで追い込まれた村上は、最後も変化球が頭にあっただろう。直球に完全に振り遅れたが、WBCへ向けてまだ調整モードに見えた。その段階で直球、フォークとも切れ味満点だった令和の怪物を打つのは至難の業だ。佐々木朗にしてみれば、WBCで外国人選手を相手に変化球で追い込み、直球で仕留める配球パターンも思い描くことができる。

 昨季に比べても直球、フォーク、スライダーとどの球種でもフォームが安定していて、バランスが一切崩れない。WBCはもちろん、シーズンでもどれだけ勝ち星を伸ばすのか。大いに期待を持たせてくれる29球だった。 

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