日系侍・ヌートバー 単独インタビューで語った代表への思い 夢かなった「この機会に感謝」

[ 2023年2月11日 05:25 ]

オンラインインタビューで笑顔を見せるヌートバー
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 3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する20チームの代表選手が、9日(日本時間10日)に発表された。大リーグからは日本の大谷翔平投手(28=エンゼルス)や米国主将のマイク・トラウト外野手(31=同)ら8人のMVP受賞者がそろう豪華な顔触れ。日系選手で初めて日本代表入りしたカージナルスのラーズ・ヌートバー外野手(25)は本紙の単独インタビューに応じ、抱負を語った。(聞き手・柳原直之、杉浦大介通信員)

 ――日本や米国など全チームの代表メンバーが発表された。
 「アレナド(米国代表の主砲)のプライベートジェットで1日にキャンプ地(フロリダ州ジュピター)入りした。とても快適だった。彼は少しだけ給料が高いからね(笑い)」

 ――どんな準備を。
 「朝起きたら練習施設に行って守備、打撃、スローイング、ランニング、ウエートトレーニング。(米国代表で元巨人の)マイコラスのブルペン投球の打席に立って球筋を見ることもしているよ」

 ――マイコラスからはどんな助言を。
 「彼は“米国代表だから助言は送りたくない”と言っていた(笑い)。彼は日本が大好きで、“いつかまた日本でプレーしたい”とも言っていた」

 ――合流は東京ラウンド出場チームの集合日である3月4日までずれ込みそうか。
 「宮崎合宿に行きたかったが(大リーグの規定で)3月4日までは試合に出られないから米国で調整する方が理にかなう。ただ興奮しているし、待ちきれない。可能な限り早く日本に行きたい」

 ――このオフはどんな練習を。
 「全てだ。肩の強さを向上させ、もっとパワーのある打撃ができるように。短距離走、守備練習もたくさんこなした」

 ――打順の希望は。
 「勝利のために1~9番のどこでも構わない。翔平(大谷)が中軸に入るのだろう。前後の打者が頑張って、中軸打者の負担を軽くすることが大事。自分がその力になれるように、ベストを尽くすつもりだ」

 ――本職は右翼だが日本代表では中堅を任される可能性がある。
 「昨季も中堅を守ったから難しさはない。今はできる限り中堅の練習をしている」

 ――日本代表ではバントやヒットエンドランなどの小技も求められるかもしれない。
 「そういった作戦は好きだ。もっと向上しなきゃいけないが、好きなんだ。昨季まで内野シフトの逆を突くバント安打を決めたこともある。機会があればぜひやりたい」

 ――日本語はどのように学んでいるか。
 「(外国語学習アプリの)Duolingoで毎日勉強している。今の僕のルームメートは元日本ハムのバーヘイゲン。彼が別のアプリも送ってくれたので、それもダウンロードするつもり」

 ――代表メンバーとの交流が楽しみ。
 「鈴木誠也とテキスト(携帯メール)のやりとりをしているけど、“日本語のレッスンもするよ”と言ってくれている。翔平やダルビッシュにも可能な限りたくさん質問したいね。翔平は地球上で一番の選手。新人王から上の段階へ、どうやって違いを生み出したか。どう練習し、どう振る舞っているのか、聞きたい」

 ――代表メンバーに伝えたいことは。
 「この機会に感謝していると伝えたい。僕は9、10歳の時から将来日本代表でプレーしたいと話していた。夢がかなうんだ。ダルビッシュ、翔平、鈴木とプレーし、佐々木朗や山本の投球を見られる。日本最高峰の選手たちのプレーが見られるなんて待ちきれないよ」

 ――日本のファンも待ち切れない。
 「セントルイスのファンと同様に“ヌート”と呼んでほしいね。日本のファンの方々から“ヌート”と声援を送られたら、最高にクールだね」

 ◇ラーズ・ヌートバー 1997年9月8日生まれ、カリフォルニア州エルセグンド出身の25歳。高校時代はアメリカンフットボールでQBとしても活躍。南カリフォルニア大から18年ドラフト8巡目(全体243番目)指名を受けカージナルスに入団。21年6月にメジャーデビュー。ミドルネームは埼玉県に住む祖父・榎田達治さん(84)から取り「テイラー・タツジ」。1メートル90、95キロ。右投げ左打ち。

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