ヤクルト久保 「君という名の翼」は仲間との絆の曲

[ 2022年12月13日 12:30 ]

ヤクルト・久保
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 「しわくちゃの写真には まぶしかった時間と」。コブクロの「君という名の翼」の冒頭の歌詞だ。今季、神宮で耳にしたヤクルトファンも少なくないはず。人気デュオの歌を登場曲にしているのは、4年目のリリーフ左腕の久保だ。

 昨年までの3年間は1軍に定着できず「結果を出さないと危ない」と背水の陣で臨んだ今季。チームに新型コロナウイルスの集団感染が襲った7月に1軍昇格すると、巡ってきたチャンスを逃さなかった。ファームで磨いてきた「左打者の内角にシュートを投げきる」を武器にフル回転。9月9日の広島戦でプロ初勝利を挙げるなど29試合に登板して防御率2・70、1勝7ホールドをマーク。田口とともに貴重な左の中継ぎとしてリーグ連覇に貢献した。

 試合の勝敗を左右する中盤に何度も流れた「君という名の翼」は仲間との思い出の歌だ。小学生時代に在籍した佐賀県伊万里市のチーム「大坪赤門少年」の当時のコーチが久保の世代が小学校を卒業する際に記念のDVDを制作。懸命に汗を流すプレー写真が次々に映し出される動画のBGMが同曲だった。

 「今もずっと仲がいい」と自身を含めた同学年のチームメート9人は気の置けない間柄。年末に帰省した際には必ず集まる。「カラオケに行くと、みんながこの曲を歌ってくれます。頑張らないといけないと思いますね」。応援してくれる仲間のためにも、新しくチェンジアップの習得に励んでいる左腕。活躍を誰よりも喜んでくれている友は今年の年末、いつにも増して熱唱してくれるはずだ。(記者コラム・青森 正宣)

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