広島ドラ1斉藤 目指すポスト黒田「人間性も素晴らしい方と聞いている。自分もそういう人間になりたい」

[ 2022年12月13日 05:00 ]

入団会見を終えポーズをとる広島ドラフト1位の斉藤(撮影・奥 調)
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 広島は12日、広島市内のホテルで育成を含む新入団選手10人を発表した。ドラフト1位の斉藤優汰投手(18=苫小牧中央)は、球団OBの黒田博樹氏(47)から学び、同氏のような投手を目指す決意を示した。同氏は来季から球団アドバイザーに就任。直接指導を受ける機会がある見込みで、人間性なども学ぶ。会見は3年ぶりに有観客で実施され、抽選に当選した約200人が新人の晴れ舞台を見守った。

 緊張を隠せない同期選手をよそに、ドラフト1位らしく堂々と振る舞った。マイクを握ればよどみなく受け答えし、カメラの前ではりりしく記念撮影。それでも観覧客200人が退場すると、「大勢の人がいたので、凄く緊張しました」とようやく初々しい笑顔を見せた。

 新井監督には、指名あいさつで初対面した際に「馬力は黒田(博樹)さんとかぶる」と評価された。黒田氏は日米通算203勝を誇る球団のレジェンド。「偉大な投手と比較していただき、光栄に思います。そのような投手になれたらいいなと思います」と憧れの投手と未来の自分を重ね合わせた。ただし、見本とするのは成績だけではない。高校生離れした聡明(そうめい)さで自身の将来像を思い描いた。

 「黒田さんは人間性も素晴らしい方だと聞いています。自分もそういう人間になりたいです」

 尊敬するレジェンドは、来季から球団アドバイザーに就任する。主に2軍を指導予定で、対面する機会もありそうだ。「マウンドでの心構えや変化球に対する考え方、打者に対してどういう気持ちで向かっていたのかを聞いてみたいです」。技術面を磨きながら、黒田氏のようにグラウンド内外で見本となれる投手を目指していく。

 1年目は、強化指定選手としてトレーニングなど土台づくりに取り組む。自身も「3年目には1軍で一度は投げてみたい」と数年を要する育成方針に理解を示している。ただし、少しばかり焦りたくなる理由もある。対戦したい打者は、ヤクルト・村上。3年後の25年オフに大リーグに挑戦する可能性があり、「3年後に1軍で投げていたら対戦したい」と色気を見せた。

 「4、5年後ぐらいには、先発で投げさせてもらえるようになりたい。(将来的には)2桁勝利できるような投手になりたいです」

 壮大な数値目標を口にしなかった理由は、「今の僕に言えるのはこれぐらいかな」。成績は学年トップの勤勉家。晴れ舞台でも浮き足立たず、冷静に自身の将来を計算できている。(河合 洋介)

 ▼ドラフト3位・益田 高めの直球がアピールポイント。うまく使いながら勝負したい。1年目から1軍で1年間戦って、日本一になれるように全力で頑張ります。
 ▼同4位・清水 肩の強さが一番の強みです。坂倉選手のような打てる捕手、3割30本を目指します。(10年後には)1億円プレーヤーになりたいです。
 ▼同5位・河野 力強い直球と変化球のコンビネーションが特徴。即戦力として1年目から結果にこだわりたい。こだわりは必ずトイレの三角折りをやることです。
 ▼同6位・長谷部 どんな局面でも腕を振って強い球を投げられるのが強みです。左打者の内角にも投げられる。ヤクルト・村上選手にも内角で押していきたい。

 C…新井監督が「最終決定は1月のスタッフミーティングで」としつつ新人のキャンプ振り分けに言及し、「社会人はメディカル的に問題なければ1軍に連れていきたい。高校生は張り切り過ぎて故障するのが怖いので臨機応変に」と語った。ひな壇に並んだ新人の会見には感心しきりだった。24年前の自身の記憶をたどり「緊張して頭が真っ白だった僕と大違い。みんな自分の言葉で発言した。立派だと思って見ていた」とうなずいた。

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