中畑清氏 ヤクルト村上「3年18億円」の次はWBCで沸かせて

[ 2022年12月13日 05:30 ]

中畑清氏
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 【キヨシスタイル】クロアチア、凄いな。日本戦に続いてPK戦を制し、王国ブラジルを撃破。このチームと120分間互角に戦ったんだから、日本も強いんだよね。そう再認識させてもらって、自然とクロアチアを応援している。

 サッカーのW杯が世界中を沸かせている中、日本球界にもうれしいニュースが続いているね。

 まずは日本人大リーガーの相次ぐWBC参加表明。大谷翔平(エンゼルス)に続いてダルビッシュ(パドレス)、鈴木誠也(カブス)も名乗りを上げてくれた。心強いよね。

 そして村上宗隆(ヤクルト)の契約更改。3年総額18億円を勝ち取ったんだ。大谷の来季年俸は3000万ドル(約41億1000万円)。大リーグとは大きな開きがあるけど、村上は22歳だよ。この若さでこの契約。日本もここまで来たかと思うと感慨深い。

 私の最高年俸は5200万円だった。選手の待遇改善と地位向上、移籍の自由を求めて労組・日本プロ野球選手会を立ち上げた1985年、日本球界にはまだ1億円プレーヤーがいなかったんだよね。

 1年後の86年オフ、ロッテの落合博満、西武の東尾修さんの年俸が初めて大台に到達したんだけど、2人ともすでに30歳を超えていた。

 史上最年少の3冠王を達成し、23歳で迎える来季の年俸6億円到達は松井秀喜(巨人)の28歳を大幅に超える最年少記録だってね。これだけの仕事をすれば、若くてもこんなにもらえる。球界全体の一つの目安になるのが大きいよね。

 3年契約を満了、場合によっては2年後にもポスティングシステムを利用してのメジャー移籍が認められるらしい。王貞治さんの通算868本塁打を破る可能性のある選手。ずっと日本でやってもらいたいけど、大谷に次ぐ日本人の長距離ヒッターとして大リーグのパワーピッチャーにどれだけ対抗できるか。見てみたい思いもある。

 ONがそうだったように、人間性もファンから愛され、尊敬され、目標とされる真のスーパースター。まずは来年3月のWBCが楽しみだ。侍ジャパンの若き4番打者。本気モードの米国にその存在を見せつけてもらいたいね。(本紙評論家・中畑 清)

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2022年12月13日のニュース