近藤 6年総額35億円超の大型契約でソフトバンクにFA移籍決定 3年ぶり奪冠へ3番起用が有力

[ 2022年12月13日 05:30 ]

ソフトバンク移籍が決定した近藤
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 ソフトバンクは12日、日本ハムから海外フリーエージェント(FA)権を行使した近藤健介外野手(29)を獲得したと発表した。FA史上では最大規模となる6年総額35億円を超える大型契約で背番号は「3」に決定。14日に入団会見を行う。交渉解禁と同時に動くなど何度も交渉を重ね、残留を要請していた日本ハムのほか、オリックス、西武、ロッテと5球団の争奪戦に勝利。強力布陣で来季は3年ぶりのリーグ優勝と日本一奪還を狙う。

 熟慮に熟慮を重ね、近藤が結論を出した。新天地は北海道から遠く離れた福岡へ。獲得を発表したソフトバンクの三笠杉彦GMは「熱意が伝わった。野球への取り組みや考えなど、後輩の選手はもちろん、年上の選手も刺激を受けるぐらいの力を持った選手」と喜びを語った。

 激しい争奪戦を制した。楽天を除き、残留交渉をしていた所属球団の日本ハムを含めた西武、ロッテ、オリックスとパ5球団が獲得競争に参戦。ソフトバンクはFA交渉解禁初日となる11月11日に交渉の席を設け、同21日には藤本監督、近藤が打者として尊敬する長谷川打撃コーチも出馬した。一緒に昼食を取りながらの交渉で藤本監督は「ぜひ、ぜひ、来てください」と熱く訴え、長谷川コーチも「一緒に野球をやりたい」と思いを伝えた。

 誠意の証として条件面も上積みした。初交渉は4年総額30億円だったが、21日の2度目の交渉では6年総額35億円プラス出来高にアップ。最後は今季のレギュラーシーズンでも143試合目で優勝を逃すなど、激しく覇権を争ったオリックスとの一騎打ちとなったとみられるが、11日の夕方に近藤から入団する旨の“吉報”が届いた。

 3年ぶりVへ、打線は超強力布陣となる。来季の構想では近藤は3番起用が有力。4番の主砲・柳田の前に置き、相手バッテリーが勝負せざるを得ない状況をつくりたい考えだ。選球眼は球界随一の近藤は今季も出塁率・418。さらなる得点力アップも見込め、三笠GMは「出塁率が高く、大事な場面でしつこい打撃で走者を還してくれる。相手にとって嫌な、破壊力のある打線になるイメージを持っていた」と強調する。

 この日、近藤は自主トレを行っている千葉・鎌ケ谷の日本ハムの球団施設に姿を現さなかった。6日に同施設を訪れた際に「しっかり悩んで、家族と相談して最高の決断をできれば」と話していた男は、前日にソフトバンクに移籍する意思を伝えると、同時に日本ハムの新庄監督、稲葉篤紀GMら球団幹部にも連絡を入れた。11月11日の交渉解禁から約1カ月後に下した決断。球界屈指の安打製造機が、九州で第2の野球人生をスタートさせる。

 ◇近藤 健介(こんどう・けんすけ)1993年(平5)8月9日生まれ、千葉県出身の29歳。横浜では3年春夏の甲子園に出場。11年ドラフト4位で日本ハム入団。12年7月27日のオリックス戦でプロ初安打を放った。19、20年に最高出塁率のタイトル獲得。18、20、21年にベストナイン。侍ジャパンでは19年のプレミア12、21年の東京五輪に出場。1メートル71、86キロ。右投げ左打ち。

 ≪平成唯一の三冠王・松中背番号≫福岡に移転した89年以降のホークスの歴代背番号3は、89~93年に佐々木誠、94~97年に松永浩美、98年に吉永幸一郎がつけ、平成唯一の3冠王である松中信彦が、00~15年の16年間背負ったのが最長。17、18年は今オフ、巨人に移籍した松田宣浩がつけ、今季3だったガルビスは、来季から背番号0に変更することが発表されていた。

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