近藤 FA交渉解禁からソフトバンク入り決断まで1カ月…日本ハム愛が深めた苦悩

[ 2022年12月13日 06:00 ]

ソフトバンク移籍が決定した近藤
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 11月11日にFA交渉が解禁され、12月11日に日本ハムの新庄剛志監督(50)やソフトバンク側に移籍する連絡を入れるまで実に31日。近藤にとっては熟考に熟考を重ねる時間となった。日本ハム担当の東尾洋樹記者(40)が、その苦悩に迫る。

 本紙は10月18日付で近藤がFA権行使を決断したことを報じた。当時、近藤は極秘渡米して米国の施設「ドライブライン・ベースボール」で汗を流していた。交渉解禁から約1カ月。なぜ決断に時間を要したのか。決して好条件を引き出そうとしたわけではない。11年間在籍した愛着ある日本ハム残留を最後まで考えていたからだ。

 条件面は解禁当初からソフトバンクが断トツだった。日本ハムは金額以外の可能な限りの条件を提示して最大限の誠意を示した。だが球団全体の予算配分があり、資金力がある球団とのマネーゲームには応じられない。優勝を狙える球団が条件でもあった近藤は、最終的に大型補強を行うソフトバンクとオリックスの2択に絞り、最後はソフトバンクの熱意が上回ったとみられる。

 近藤は11月26日に応援大使を務める北海道千歳市を訪問した際、トークショーで来年3月に開場する新球場「エスコンフィールド北海道」についての質問に対し「本当に楽しい球場。ぜひ“行ってほしい”」と語っていた。当時、移籍は決断していなかったが、日本ハムの選手として“来てください”と呼びかけることはできなかった。そんな微妙な言葉の選択にも苦悩がにじみ出ていたと感じた。(東尾 洋樹)

 ≪近藤のFA経過≫

 ☆11月10日 FA選手公示

 ☆同11日 交渉解禁初日にソフトバンクと交渉

 ☆同15日 オリックスと交渉

 ☆同21日 ソフトバンクの藤本監督と長谷川打撃コーチが近藤との2度目の交渉に出馬

 ☆同22日 西武・松井監督が近藤との交渉を終え、同席していたことも明かす

 ☆同23日 近藤が日本ハムのファンフェスティバルに参加。日本ハム、ソフトバンク、オリックス、西武、ロッテの5球団との交渉が一巡したことを明かす

 ☆同24日 日本ハム・新庄監督が数日前に近藤に残留要請したことを明かし「君は監督をやれる人間」と将来的な監督就任にも言及。近藤からは「外国人の補強はどうなっていますか?」と質問されたことも明かす

 ☆12月6日 近藤が日本ハムの吉村浩チーム統轄本部長と千葉・鎌ケ谷の施設で会談

 ☆同11日 近藤がソフトバンクに移籍する旨を伝え、日本ハムなど他球団にも連絡

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2022年12月13日のニュース