ソフトB・笹川 “未完の大器”1軍デビュー目指しギータ師匠から「全部を吸収、盗みたい」

[ 2022年12月13日 08:00 ]

秋季キャンプで笑顔で練習する笹川(撮影・岡田 丈靖)
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 ギータ先生から全てを吸い尽くす――。毎週火曜日にソフトバンクのファーム情報をお届けする「筑後鷹」。第7回は笹川吉康外野手(20)。今オフは目標とする柳田悠岐外野手(34)らと大分県内で合同自主トレを行う。柳田主将とほぼ同サイズの体格と、未知数の潜在能力を秘める笹川は来季3年目の目標に1軍デビューと、ウエスタン・リーグ本塁打王をまずは掲げた。

 笹川吉康の「吉康」は豊臣秀吉の「吉」と徳川家康の「康」を合体して付けられた。3歳から木登りが大好きになった超野生児。落下する友人を見て、爆笑することが快感だった。

 22年ドラフト1位でイヒネ・イツア(18=誉)が入団。同じ高卒で規格外の身体能力が売りだが「運動神経と身体能力で負けたら僕の取りえはない。もう終わりです。負けませんよ」と対抗心を燃やす。そんな笹川のポテンシャルが今オフに初めて、憧れの柳田によって開花されようとしている。

 「いいところの全部を柳田さんから吸収、盗みたいです。食事、練習、生活面もです」

 昨オフに佐賀・嬉野市内での柳田塾に応募しようとしたが、脇腹を痛めたために筑後で調整した。今季はウエスタン・リーグと3軍戦の約150試合に出場。打撃での武器は、師匠と同じフルスイング。実戦消化とともに強振の対応に好感触をつかんできた。「前までは直球を待って変化球が来たら対応できなかったが、今季終盤は変化球もフルスイングできて本塁打も出てきた。直球を捉える率も上がった」

 独自の創意工夫でファーム公式戦では4本塁打。終盤に3本塁打が出た。ベストアーチは9月のタマスタ筑後でのウエスタン・リーグ阪神戦。フォークをバックスクリーン左に運んだ一発だ。宮崎秋季キャンプでは小久保裕紀2軍監督から広角に長打を狙うように指示を受けた。2軍指揮官が打撃投手となってのフリー打撃、ティー打撃で徹底的に振り込んできた。

 「来季はまずファームで、本塁打王を獲りたい。あとは1軍の試合にも出たい。そのために、オフから頑張りたいです」。主将との自主トレでは徹底し、打撃技術を吸い込む。

 「球界トップの打者の打ち方を。特に逆方向の飛ばし方を学びたいです」。来季高卒プロ3年目。身長1メートル94で、体重は入団時よりも10キロ増えての95キロ。公称1メートル87、90キロの柳田よりもスケールのでかい男の探求が来年1月から大分で本格的に始まろうとしている。(井上 満夫)

 ◇笹川 吉康(ささがわ・よしやす) 2002(平14)5月31日生まれ、神奈川県横浜市出身の20歳。西前小で軟式野球を始め、横浜西中時代は硬式クラブ「中本牧シニア」で投手兼野手。横浜商1年から外野手兼投手。3年夏は背番号1の投手兼中堅手の3番打者。甲子園出場なし。高校通算40本塁打。愛称は「よすよす」。1メートル94、95キロ。左投げ左打ち。

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2022年12月13日のニュース