今ドラフトは下位指名に多数の原石 スター候補から目が離せない

[ 2022年11月1日 13:00 ]

中大・北村
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 20日のドラフト会議では支配下69人、育成57人の計126人が指名を受けた。上位指名を受けた選手はもちろんだが、下位指名の選手にもポテンシャルの高い選手は多い。ドラフト9位だったDeNA・佐野恵太外野手(27)や同10位だったオリックス・杉本裕太郎外野手(31)のようにチームの中心に育つことに期待したい。

 ヤクルトから5位指名を受けた中大・北村恵吾内野手(21)は、個人的な「推し」の選手だ。近江(滋賀)出身で、甲子園は3度出場。大学ではリーグ戦通算6本塁打誇る長打力が売りの右打者だ。チームでは主将も務め、常に「主将としてチームのために何ができるか」と口にする強力なキャプテンシーを持つ。そんな北村に引っ張られるかのように、今春は入れ替え戦まで戦って1部残留した一方で、今秋は争いを演じた。高打率を残すタイプではないが、プロで持ち前の長打力と確実性を磨けば、大きく化ける可能性があると思う。

 また、育成にも取材で見た中で印象的だった選手も指名された。ロッテから育成1位指名を受けた浦和麗明(埼玉)の最速142キロ左腕・吉川悠斗投手(17)。今夏埼玉大会2回戦の秩父農工科戦では、9連続三振を含む1試合20奪三振をマークし、インパクトを残した。佐藤隼人監督からも「自分の中で問題が解決したらパッとやめる。逆に納得しないと延々やり続ける。プロ向きだと思う」と評価されており、伸びしろは無限大だ。

 打者では、巨人から育成6位指名を受けた桐生第一のスラッガー・三塚琉生外野手(18)だ。ドラフト前にはあるスカウトから「支配下指名もあるかも」と聞いていただけに、育成6位は意外な順位だと思ったが、素材はピカイチ。鋭いスイングから強烈な打球を放ち、逆方向にも長打を打てるのが持ち味の左打者だ。1メートル82、92キロと恵まれた体格も魅力の一つ。亀井善行打撃コーチに憧れており「自分も勝負強い選手になりたい」と意気込む。

 これからプロの厳しい世界に飛び込む若武者たち。1軍で活躍できるのは一握りかもしれないが、アマチュア時代のプレーを直接見た選手には、やはり思い入れがある。ひっそりと、応援していこうと思う。(記者コラム・田中 健人)

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2022年11月1日のニュース