いざ襲名パーム渡辺 楽天ドラ3が落とす魔球で名を上げる!球速も落差も自在

[ 2022年11月1日 05:30 ]

パームボールの握りでポーズをとる九産大・渡辺
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 自慢の“魔球”を引っさげてプロの世界に殴り込みをかける。楽天からドラフト3位で指名された渡辺翔太投手(22=九産大)が、福岡市内の同大で指名あいさつを受けた。最も自信がある球種は最速151キロの直球ではなく、大きく沈むパームボール。球速も落差も自在に操れるという特殊球の使い手として名をはせる決意を語った。

 「カウントも取れるしフルカウントからでも使える。中学2年生からずっと投げているので、抑えるイメージがいっぱいある球」

 パームボールを持ち球にしていたのは、過去に西武やソフトバンクで活躍した帆足や、中日・浅尾、現役では床田と数えるほど。彼らの投球動画で研究を重ね、コースだけでなく120~130キロの間で球速を自由に制御できるようになった。

 一流投手には代名詞となる球種がある。楽天で先輩になる岸のカーブや田中将のスプリットなど。渡辺は「パワプロで千賀さん(ソフトバンク)のフォークは凄い。自分もゲームになったらパームの数値をMAXにしたい。“パームと言えば楽天の渡辺”と言われるように」と目を輝かせる。大学では8種類の球種を駆使してリーグ戦で19連勝を達成し、「負けない男」と呼ばれた。「田中将大さんの24連勝のように負けない投手になりたい」。憧れの世界でオンリーワンの投手を目指す。(重光 晋太郎)

 ▽パームボール 「パーム」は英語で「手のひら」の意味。指を伸ばした状態で手のひらと親指、小指あるいは薬指も使用してボールを支え、手のひらで包んで押し出すように投げる。チェンジアップと同様に、遅い球速で揺れながら落ちたり、横方向に変化することがある。大リーグでの主な使い手は歴代2位の通算601セーブ右腕トレバー・ホフマン(パドレスなど)ら。

 ◇渡辺 翔太(わたなべ・しょうた)2000年(平12)10月29日生まれ、福岡県北九州市出身の22歳。小3からソフトボールを始め、中学時代は硬式の八幡東ボーイズに所属。北九州から九産大に進み、大学通算20勝2敗、防御率2.00。球種はカーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップ、パームボール、ツーシーム、スプリーム(スプリットとツーシームの間のような球)。1メートル82、88キロ。右投げ右打ち。

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2022年11月1日のニュース