【22年ドラフト下位指名】ソフトB6位指名の桐蔭横浜大・吉田 3割30本100打点で球団史に名を残す

[ 2022年11月1日 06:30 ]

指名あいさつを受け、笑顔を見せる吉田(中央)
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 大学・社会人の捕手で唯一の支配下指名を受けた「即戦力捕手」が福岡の地で躍動を誓う。ソフトバンクからドラフト6位指名を受けた桐蔭横浜大・吉田賢吾捕手(21)は、神奈川大学リーグで通算14本塁打の「強打の捕手」。今年のドラフト指名選手の右打者では屈指の打撃力を武器に、プロでの活躍を誓う。

 ホークスの球団史には偉大な強打の捕手が名を連ねる。野村克也、城島健司…。ドラフト指名という夢をかなえた吉田は、球団捕手では城島健司(現会長付特別アドバイザー)が、ダイエー時代の03年に記録した打率・330、34本塁打、119打点以来の数字を目標に掲げた。

 「3割、30本、100打点を打てるような選手になるために、守備面を強化してポジションを守っていきたい。まぐれで結果が出ることが一番怖いこと。しっかり下積みを大事にやっていきたい」

 大阪桐蔭・松尾汐恩、聖光学院・山浅龍之介ら高校生捕手が豊作だったため、下位指名となった。だが、二塁送球タイム1秒8台の強肩に加え、捕手としての打撃力はアマチュア球界トップクラスの右打者。リーグ戦では3年秋に5本、4年春に6本、今秋は2本と直近1年で本塁打を量産中だ。三振も少なくミート力があり、守備の負担の大きい捕手ながら4年春はリーグ3冠王に輝いた。

 福山龍太郎アマスカウトチーフは、「ヘッドの出方は内川(聖一=ヤクルト)のよう。中村晃を右にしたような」と球団を支えた2人の名前を挙げながら、広角に長打を放てる打撃力を表現。「基本は捕手でやってもらいたい気持ちはありますけど、状況次第で(他の守備位置を)守るケースはあるかもしれない」とするほど打撃力を買っている。

 球団では育成選手から日本を代表する選手となった甲斐が、正捕手として君臨する。「自分に足りないところを吸収していきたいなと思っていますけど、試合に出るためには追い抜かないといけない。隙があればチャンスをつかみたい」。早くも激しいポジション争いに闘志を燃やしている。 (柳内 遼平)

 ◇吉田 賢吾(よしだ・けんご)2001年(平13)1月18日生まれ、神奈川県出身の21歳。小1から野球を始め、浜中では軟式野球部に所属。横浜商大高では1年秋からベンチ入り。甲子園出場はなし。桐蔭横浜大では1年春にリーグ戦デビュー。50メートル走6秒3。遠投100メートル。1メートル80、88キロ。右投げ右打ち。

 ▽ソフトバンクの捕手事情 今季は甲斐が最多の130試合に出場し、打率.180、1本塁打、27打点と不本意に終わった。守備に定評のある海野は47試合に出場も、打率.167とアピールできなかった。打撃にたける左打者の渡辺は、20試合の出場ながら打率.273をマーク。外野もこなす谷川原は71試合に出場で打率.234だった。1軍出場なしでは、20年ドラフト3位の牧原巧が打力とともに期待が寄せられている。球団は来季から4軍制を導入。さらに激しくなるチーム内の競争に、吉田が加わる。

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2022年11月1日のニュース