松坂大輔氏が「松&松コンビ」西武・稼頭央監督にエール 広い守備範囲と同じ“安心感”与えてくれる先輩

[ 2022年11月1日 05:30 ]

07年、ワールドシリーズの試合後に通路で対面する松井(左)と松坂
Photo By スポニチ

 【平成の怪物 松坂大輔の探球】昨年限りで現役を引退した松坂大輔氏(42=スポニチ本紙評論家)が今、何を見て、何を思うのか――。平成の怪物の「今」を発信する月1回の連載コラム「松坂大輔の探球~シーズン編~」の第7回。「松&松コンビ」としてともに西武でプレーし、大リーグ時代にはワールドシリーズでも対戦した西武の松井稼頭央新監督(47)との思い出を語り、新たな指揮官に熱いエールを送った。

 松井稼頭央新監督が誕生しました。きっと、2軍監督などをしていたここ何年かかけて「こういうチームにしたい」という構想は練っていたのだと思います。どうやって稼頭央さん流の色を出し、どんな形で表現するのか。本当に楽しみです。

 長く西武で一緒にユニホームを着ましたが、後輩思いで面倒見のいい、本当に優しい先輩です。自分が入団1年目、99年の高知・春野での春季キャンプ。「チームに溶け込みやすくなるように」と、食事に連れていってもらったことを覚えています。プロ野球界のこと、チームのこと…。いろいろなことを教えていただきました。

 最も思い出深いシーンの一つは07年。稼頭央さんはロッキーズ、自分はレッドソックスの一員としてワールドシリーズで対戦したことです。まさか世界一を決める舞台で対戦できるとは思っていませんでした。自分は第3戦に先発。稼頭央さんは1番打者で初球を右前に運ばれました。今でも鮮明に覚えています。試合後にはベンチ裏で「ナイスピッチング!」と声もかけていただきました。

 西武時代。後ろで守ってくれている遊撃手の稼頭央さんは、凄く安心感を与えてくれる存在でした。守備範囲が広く、「抜けた」という打球も捕ってくれる。本当に何度も助けてもらいました。いるだけで安心する、その存在感。そう感じていたのは自分だけではないはずですし、指揮官になっても選手に、そしてチームに安心感を与え続けるのが松井監督だと思います。

 実は、自分は稼頭央さんの声のトーンが大好きなんです。優しい声質の持ち主で、何でもないようなことでも稼頭央さんに声をかけてもらうと気持ちが安らぐ。たとえ苦しい状況に追い込まれても、選手は声をかけてもらうだけで元気になったり、明るくなったり、和らいだり…。声の力。それも稼頭央さんの監督としての武器になるような気がします。

 23年シーズン。西武が辻監督の野球からどう変わるのか。優勝を目指すチームへと、松井監督がどう変えるのか。本当に楽しみにしています。

 ≪対戦はワールドシリーズの1試合だけ≫松井監督は93年ドラフト3位、松坂氏は98年ドラフト1位でともに西武に入団。松井監督がメジャーに移籍するまで、99~03年の5年間一緒にプレーした。松坂氏も07年にレッドソックスに移籍したが、大リーグでの対戦は同年のワールドシリーズの1度だけ。10月27日の敵地コロラドでの第3戦に松坂氏が先発。ロッキーズの松井監督は「1番・二塁」で出場した。初回の第1打席は初球を右前打。3回1死では空振り三振、5回1死一、二塁では遊ゴロだった。

続きを表示

2022年11月1日のニュース