阪神秋季キャンプ 前川が期待の若虎筆頭だ 岡田監督も「ええなあと思っとった」

[ 2022年11月1日 05:15 ]

阪神・前川(撮影・椎名 航)
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 阪神が31日、甲子園球場での秋季練習を打ち上げ、2日スタートの秋季キャンプ(高知県安芸市)のメンバーを発表した。岡田彰布新監督(64)は前川右京外野手(19)を期待の若手に指名。3週間の「みやざきフェニックス・リーグ」を終えて合流する入団1年目のドラフト4位との初対面を心待ちにするように、「高校の時からええなあと思っていた」と評価した。

 早く、この目で確かめないと気が済まない。岡田新監督の視線は、2日スタートの秋季キャンプに向いていた。

 「フェニックスから帰ってくる選手は、楽しみは楽しみやけどな。若いのは。どれぐらい力があるのか」

 24日から始まった甲子園での秋季練習は1軍クラスが参加したため、評論家時代からある程度、力量を把握していた。安芸は違う。宮崎で約3週間の実戦を終えてやってくる若手はイメージ先行の段階。「2軍の試合をほとんど見てないやろ?テレビでちょっと見るぐらいやもん」。うれしいサプライズを期待した。

 まだ見ぬ恋人の中でも筆頭格に位置するのがドラフト4位で入団して1年目を終えた前川だ。「そらもう、ドラフトで獲った時からな、コイツはええなあと思っとったよ。智弁(学園、奈良)の時からな」。3年夏の甲子園で準優勝した高校時代から、長所を「バットを(強く)振れること」と評価。1軍未出場に終わった今季についても映像でスイングをチェックした。「高校から(入って)1年目の選手やからな、そういうレベルではもっと上の選手に見える」。同世代では一歩も二歩も進んだ実力だという認識だ。

 矢野前監督も開幕前に1軍に呼んでオープン戦に出場させたほど打撃能力が高い。上半身コンディション不良の故障が重なって、2軍でも21試合の出場にとどまったとはいえ、3本塁打を放って大器の片りんを見せた。強烈な打球スピードを持ち、成長次第では高卒で猛虎の主軸を担った掛布雅之の系譜を継ぐ可能性がある。

 来季は佐藤輝を三塁、大山を一塁に専念させるため、中堅・近本を除く外野の両翼が空白になる。助っ人で補うとしても前川のチャンスはゼロではない。故障完治を優先してDH出場をしていた課題の守備についても、「守備はやらせるよ、練習では」と強化する考えを示した。

 前回の阪神監督時代には大和(DeNA)を高卒3年目に抜てきした。岡田チルドレンが続々出てくれば、チーム力は確実に上がる。(倉世古  洋平)

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2022年11月1日のニュース