東海大菅生　2年連続決勝進出！DeNA・小池コーチ父に持つ祐吏が延長10回V撃

第104回全国高校野球選手権西東京大会準決勝   東海大菅生4ー3国士館 （ 2022年7月29日    神宮 ）

＜国士舘・東海大菅生＞延長10回、適時打を放つ小池（撮影・島崎　忠彦）
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　第104回全国高校野球選手権大会（8月6日から17日間、甲子園）の出場を懸けた地方大会は29日、各地で8試合が行われ、西東京大会準決勝では東海大菅生が国士舘を延長10回の末に4―3で下し2年連続の決勝進出を決めた。DeNA・小池正晃外野守備走塁コーチ（42）を父に持つ5番・小池祐吏内野手（3年）が決勝打。父が98年に甲子園春夏連覇を成し遂げた母校・横浜と聖地での対戦を誓った。

　スランプにどっぷりと漬かっていた小池。今大会の5回戦以降は無安打が続き「バッティングってどうやっていたっけ…」と17歳のメンタルは限界を迎えていた。準決勝が迫る前夜午後9時。父・正晃氏へ助けを求めた電話では2時間も話した。父からの「最後に甲子園に連れて行ってくれ」の言葉で心に再び火が付いた。

　初回2死二、三塁での第1打席は三ゴロ。その後3打席も5番を担う小池のバットは湿ったままだった。3―3で迎えた延長10回。無死一、二塁の好機に、若林弘泰監督は4番に送りバントを指示した。走者を進塁させて1死二、三塁、「お前に任せる」と絶不調の小池に全てを託した。

　「自分が打たないと駄目だ」と強い思いを込めてスライダーを振り抜いた一打は力ない平凡なフライ。しかし、前進守備を敷いていた二塁手と中堅手の間にポトリと落ちた。強豪・国士舘を下す決勝の適時打に「素直にうれしかった」と笑い、指揮官も「ポテンヒット一本でテレビにインタビュー受けているのは納得いかない」と冗談を飛ばして喜んだ。

　横浜や中日などプロ15年間で通算810試合に出場した父。3年時に甲子園春夏連覇を成し遂げた横浜高は、27日に甲子園出場を決めた。憧れの父の背中を追い「やっぱり横浜高校と甲子園で戦いたい」と目を輝かせた。

　昨夏は甲子園出場を果たすも、1回戦の大阪桐蔭戦で8回途中雨天コールドにより4―7で敗れた。小池は4番で出場も4打数1安打に終わり「3年生の夏を自分が終わらせてしまったという思いが強い」と胸に秘める。

　決勝の相手は秋季大会と春季大会で連敗を喫している日大三に決まり「同じ相手に3度も負けていられない」。三度目の正直を誓い、その先に聖地での夢の横浜戦をにらんだ。（柳内　遼平）

　◇小池　祐吏（こいけ・ゆうり）2004年（平16）8月17日生まれ、横浜市出身の17歳。保土ケ谷小1年から野球を始める。岩崎中では中本牧シニアに所属。東海大菅生では1年秋からベンチ入りし、2年春と夏に甲子園出場。50メートル6秒3。遠投90メートル。1メートル80、80キロ。右投げ右打ち。

　▽横浜時代の小池正晃氏　同学年の松坂大輔（レッドソックスなど）、後藤武敏（DeNAなど）らと3年時に春夏連続の甲子園優勝を達成した。右打ちの外野手として中軸を担い、春夏合わせて計11試合全てに先発出場。3年夏は3回戦の星稜（石川）戦で中越えに先頭打者本塁打を放ち、自身の甲子園初本塁打をマークした。