大阪桐蔭の“秀才”右腕・別所 三塁踏ませない快投 西谷監督「100点」絶賛に照れ笑い「うれしい」

[ 2022年7月30日 06:00 ]

第104回全国高校野球選手権大阪大会・準決勝   大阪桐蔭8―0上宮 ( 2022年7月29日    大阪シティ信用金庫スタジアム )

<大阪桐蔭・上宮>試合に勝利し、軽くグローブをたたく大阪桐蔭・別所(撮影・岸 良祐)
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 大阪大会は29日、準決勝2試合を行い、履正社と大阪桐蔭が30日の決勝に進んだ。高校球界をリードする両雄の頂上決戦は13年以来9年ぶり。履正社は3年ぶり5度目、大阪桐蔭は2年連続12度目の夏を目指す。

 宿命のライバルが待つ決勝へ導いたのは、秀才右腕の快投だった。大阪桐蔭・別所が三塁を踏ませず、7回を2安打完封。快勝の立役者となった。

 「1イニング、1イニングと思って、考えて投げた結果。ストライク先行で、有利なカウントをつくれました。(決勝は)いつでも投げられる準備をしたい」

 初戦の大手前戦で自己最速150キロをマークした背番号10は、この日も最速148キロを計測。4回は全てのアウトを三振で奪うなど計7奪三振で付け入る隙を与えなかった。

 OBの阪神・藤浪や中日・根尾と同じ、3類文系のトップクラスに所属する。入学時にはどんな教科書を使い勉強するのかを学校に問い合わせたほど。投手陣を管轄する石田寿也コーチも「3カ月前に言ったことも全部覚えていて、自分で到達度を測れる選手」と証言する。

 今春選抜では背番号1。先発予定だった2回戦の広島商戦は不戦勝となり、先発する機会はないままだった。春の府大会ではぎっくり腰を発症するなど順風満帆とは言えなかったが、最高の形で頂上決戦へ弾みをつけた。西谷浩一監督からは「100点」と絶賛され、「初めて言われてうれしい」と照れた。

 甲子園春夏連覇へ、避けては通れないのが履正社だ。ただ、決勝に限れば、過去3度は大阪桐蔭が全勝。主将で「7番・二塁」の星子天真(3年)は「どちらも甲子園に出たい気持ちが強いと思いますが、熱量は自分たちが上」と思いをたぎらせた。絶対王者が泥くさく、宿敵を下して偉業への挑戦権を勝ち取る。 (北野 将市)

 ◇別所 孝亮(べっしょ・こうすけ)2004年(平16)5月18日生まれ、岐阜県可児市出身の18歳。帷子小1年から岐阜東濃リトルリーグで野球を始め、広陵中では岐阜中濃ボーイズに所属し3年時にNOMOジャパン選出。大阪桐蔭では1年秋からベンチ入りし、2年春夏と3年春に甲子園出場。1メートル83、87キロ。右投げ右打ち。

 《ドラフト候補の松尾「自分たちは雑草」》
 今秋ドラフト候補で「3番・捕手」の松尾汐恩(3年)が、履正社との大一番を見据えた。「自分たちは雑草。みんなでできることをしっかりやって、どれだけロースコアで粘れるかが鍵」。現メンバーで唯一、旧チームから主力を張る攻守の要。6―0の6回1死二塁ではコールド圏内に持ち込む左前適時打を放つなど2安打で「明日に向けていい準備ができた」とうなずいた。

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2022年7月30日のニュース