履正社　8回満塁ピンチで2年生バッテリー増田&坂根「3年生の最後にしてはいけない」

第104回全国高校野球選手権大阪大会・準決勝   履正社3－2関西創価 （ 2022年7月29日    大阪シティ信用金庫スタジアム ）

＜関西創価・履正社＞8回無死満塁のピンチから無失点に抑えた履正社・増田が橘高（3）とハイタッチをかわす（撮影・岸　良祐）
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　大阪大会は29日、準決勝2試合を行い、履正社と大阪桐蔭が30日の決勝に進んだ。高校球界をリードする両雄の頂上決戦は13年以来9年ぶり。履正社は3年ぶり5度目、大阪桐蔭は2年連続12度目の夏を目指す。

　3―2の8回無死満塁の大ピンチ。背番号10の左腕・増田壮と坂根葉矢斗の2年生バッテリーは「ここが3年生の最後にしてはいけない」とアイコンタクトしていた。

　まずは空振り三振で1死を奪い、次打者の投前に転がったスクイズを増田が本塁封殺。2死満塁からもカウント3―1と追い詰められたが、見逃し三振を奪い切り抜けた。「（フルカウントから）スライダーが少し真ん中に入ったのですが…」と増田。最後は、決勝へ進んで先輩たちと大阪桐蔭を倒すんだという強い思いだけで腕を振りぬいていた。

　7回に決勝の中犠飛を放った光弘帆高（3年）は「迷いがあったが積極的に行くと決めていた」と初球を高々と打ち上げた。「決勝にいけてうれしい」。この時点で相手はまだ決まっていなかったが、宿敵との大一番を思い描いていたはずだ。

　今春から指揮をとる多田晃監督は、前任の岡田龍生監督（現東洋大姫路監督）に試合後はいつも電話を入れている。「（攻撃は）進めるところはしっかり進めないといけないぞとアドバイスをいただき、（守備では）坂根は落ち着いてきたと言ってもらいました。あしたも勝って、甲子園を報告したい」。現阪神の井上らを擁して日本一まで駆け上がった19年以来の大阪決勝。全国から標的にされている大阪桐蔭を倒すのは、俺たちだ―。　（畑野　理之）