春の悔しさ胸に近江が聖地へ エース山田「達成感があります」 京都国際・森下のメッセージで発奮

[ 2022年7月30日 06:00 ]

第104回全国高校野球選手権滋賀大会・決勝   近江4―1立命館守山 ( 2022年7月29日    皇子山 )

<近江・立命館守山> 4-1で立命館守山を破り甲子園出場を決め抱き合う山田(中央)と大橋のバッテリーに集まる近江ナイン (撮影・亀井 直樹)
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 第104回全国高校野球選手権大会(8月6日から17日間、甲子園)の地方大会は29日、4大会で新たに出場校が決まった。滋賀大会では今春選抜大会準優勝の近江は山田陽翔投手(3年)の力投で立命館守山を破り、4大会連続16度目の出場。滋賀県勢の4大会連続出場は、1988~91年の八幡商と並ぶ最長記録となった。

 前日に誓い合った通りのシーンを実現した。近江のエース右腕・山田は、優勝が決まると右手を突き上げマウンド上でジャンプ。駆け寄ってきた捕手の大橋大翔(3年)にしっかりと抱え上げられた。

 「2人で手を取り合ってやってきたので、達成感があります」

 この日の最速が、自己最速に4キロ及ばない145キロだったのは、最後まで投げ切ることを意識したからだ。5回までは1安打投球。6回は無死三塁から内野ゴロの間に今大会19イニング目で初失点したが、その後の2死一塁は空振り三振で切り抜けた。12三振を奪えたのも「大橋のリードがマッチしていたから」と感謝した。

 新型コロナウイルスに集団感染した京都国際の辞退を受け、代替出場した今春の選抜は決勝まで勝ち進んだが、大阪桐蔭に1―18で大敗。夏の雪辱への原動力となった一方で、準優勝の栄誉は重圧にもなっていた。

 「周りから“勝って当たり前”と思われる中で戦うのは、苦しいものがありました」

 初戦の瀬田工戦は調整途上のため登板機会を与えられず、延長戦にもつれた。準決勝の比叡山戦は、5―4の3回無死一、三塁から志願して緊急登板。いずれも1点差の辛勝だった。「あの苦しい勝ち方ができたからこそ、優勝できたと思う」。その京都国際が27日に甲子園出場を決めた際には、親交のあるエース左腕・森下瑠大(3年)から「甲子園決めたぞ」とメッセージをもらい、滋賀を勝ち抜く発奮材料とした。

 主将として仲間にも目を向ける。調子の上がらない左腕の星野世那(3年)に対し「甲子園には思い出をつくりに行くのではない。優勝という目標に向かっていく」と話したのも、自らが中心として引っ張る覚悟があるからだ。甲子園の借りは、甲子園でしか返せない。チームスローガンの通り「一丸」となり、県勢初の優勝を狙う。 (石丸 泰士)

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2022年7月30日のニュース