花巻東・麟太郎出た今夏初アーチ!岡本和真超え通算74号「打球が伸びてくれた」

[ 2022年7月22日 04:00 ]

第104回全国高校野球選手権岩手大会準々決勝   花巻東18ー1水沢 ( 2022年7月21日    岩手県営 )

<花巻東・水沢>4回、2ランを放つ花巻東・佐々木(撮影・藤山 由理)
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 第104回全国高校野球選手権大会(8月6日から17日間、甲子園)の出場を懸けた地方大会は21日、各地で161試合が行われた。岩手大会では、花巻東の主砲・佐々木麟太郎内野手(2年)が水沢との準々決勝で4回に今夏初アーチとなる右越え2ラン。4安打4打点で18―1の5回コールド勝ちに貢献し、高校通算74本塁打として巨人・岡本和真(智弁学園)を超えた。

 白球には、すさまじいバックスピンの痕跡が刻まれていた。怪物の力と技術が凝縮された一撃の証。佐々木は100キロに満たないカーブに体勢を崩された。それでもボールの下を鋭く叩くと、打球は放物線を描いて右翼芝生席で弾んだ。今夏1号。かみしめるようにベースを一周した。

 「泳がされた形になったんですけど、しっかり対応しながら持っていけた。ヒットを目指す延長線で打球が伸びてくれました」

 2度目の夏は3試合、12打席目で待望の初アーチが生まれた。14―0の4回に飛び出した2ラン。高校通算本塁打を74とし、巨人の4番・岡本和が智弁学園時代にマークした73本を抜いたが「自分が幼いころから甲子園で見ている。素晴らしいバッティングをしていて、本当に尊敬している」と謙遜した。

 初回、3回、5回には強烈な右前打を放って4安打4打点の大暴れ。3人態勢で視察した西武・渡辺久信GMは「球が(高く)上がれば(スタンドに)入っちゃうんだよね。それまでの打席はドライブがかかってしまっていた。逆風だったけど、打球が上がれば関係なかったね」と高い修正能力と高校生離れしたパワーを評価した。

 昨年12月に両肩を手術した影響で選抜は本調子ではなく、無安打で初戦敗退を喫した。「人一倍強いバッターになって甲子園に戻ってきたい」と誓ってから4カ月。父・洋監督は「非常に良かった。手術以降、感覚がズレたりしている時があった。だいぶ良くなってきた」と目を細めた。

 怪物2年生を中心とした東北屈指の強力打線は17安打18得点と圧倒し、3試合連続コールド勝ちで準決勝に進出。春夏連続の甲子園出場へあと2勝だ。「一戦一戦、勝ち上がることに集中したい」と佐々木。23日の準決勝はプロ注目の盛岡中央・斎藤響介(3年)と激突する。最速152キロ右腕を打たずして聖地への道はない。(柳内 遼平)

 ≪あるぞ2年時で大台100号≫高校通算最多の111本塁打をマークした早実・清宮幸太郎(現日本ハム)が74号を放ったのは、2年時の秋季東京大会2回戦(10月15日)。佐々木は約3カ月も早いペースとなっている。清宮の100号は3年時の6月の練習試合。佐々木は2年時で大台に到達する可能性がある。

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2022年7月22日のニュース