常葉大菊川 コロナ禍でベンチ入りわずか11人 奮闘も3年ぶり8強ならず

[ 2022年7月22日 19:20 ]

第104回全国高校野球選手権静岡大会4回戦   常葉大菊川4―11静清 ( 2022年7月22日    草薙 )

わずか11人で戦った常葉大菊川ナイン
Photo By スポニチ

 ノーシードながら優勝候補筆頭の常葉大菊川が、新型コロナウイルスの影響をまともに受けて4年ぶりの聖地進出を逃した。3年ぶりの8強入りをかけてわずか11人で挑んだ第4シード静清戦。6点を追う5回、打者一巡の猛攻で4点を返すのが精いっぱいだった。

 主将代行を務めた1番の松本晃充遊撃手(3年)は「最後に試合ができて負けた。そこに悔いはありません。(いるメンバー)全員でしっかりできたと思います」と涙ながらに言葉を振り絞った。

 18日に寮内で最初の感染者が出て以降、その数は増える一方だった。プロ注目最速148キロエース右腕・安西叶翔(3年)を筆頭とする自慢の投手陣140キロ台カルテットに飛び火。吉原との3回戦(20日)はなんとか14人で乗り切った。ところが、この日になって石岡諒哉監督(33)まで発熱。代行した杉本陽介副部長(43)は学校側と協議を行い、寝食共にする寮生36人に対し「(辞退という)最悪の状況を防ぐために全員を濃厚接触者扱いにしました」と明かした。

 出発時、症状がなく1度はバスに乗り込んだ主将の長島颯汰二塁手(3年)らもともとのメンバー4人も降車することになり号泣していた。その際、松本はリーダーから「絶対勝ってくれ」とナインの集合写真を預かり「絶対勝ってやる」と全力プレーに徹した。最終的に本来の登録メンバーは松本と大庭大陽三塁手(3年)、鈴木叶捕手(2年)の3人だけで、再登録された選手にはしばらく練習から遠ざかっている者もいた。思いは届かなかったが「残ったメンバーでプレーできたことに感謝しています」と松本は胸を張った。

続きを表示

2022年7月22日のニュース