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【スポニチスカウト部(13)】盛岡中央・斎藤響介 最速149キロ 岩手のミスター0

[ 2022年5月17日 06:30 ]

最速149キロの直球で三振を量産する斎藤
Photo By スポニチ

 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第13回は盛岡中央(岩手)の最速149キロ右腕・斎藤響介投手(17)。エンゼルス・大谷、ロッテ・佐々木朗らを育んだ岩手の地に、新たな怪物候補が出現した。

 斎藤は学校で配布される進路希望書に「富士大進学」と書き続けてきた。西武・山川ら多くのプロ野球選手を生んだ地元・岩手の名門で腕を磨くプランは、昨年11月に変わった。学校の昼休みに母・敏江さんが作ったお弁当を食べ終えると、机の中から取り出した同書に「プロ野球選手になりたい」と鉛筆を走らせた。初めて夢と向き合った瞬間だった。

 「強い人たちと一緒に練習したり戦ってみたりしたい。もっと野球がうまくなりたいと思うようになった」

 中学時代は最速135キロだった右腕。滝沢市の自宅から自転車を15分こいで通える盛岡中央に進学した。ジャンプトレーニングなどで瞬発力を高めると球速はグングン伸びて昨夏には149キロに。ドラフト対象年となった今年は、春季大会の盛岡地区予選3試合で17回1/3を無失点と「無双」状態で県大会(20日開幕)進出を決めた。

 もう一つ、かなえたい夢がある。盛岡中央は99年夏に甲子園に初出場するも未勝利に終わった。最後の夏で2度目の甲子園出場&初勝利を目指し「中央でも甲子園で勝ち進めると思われたい」と力を込める。最大の壁となるのは強豪・花巻東。高校野球史上かつてないペースで本塁打を量産する佐々木麟太郎(2年)には「内角直球で空振り三振を奪いたい」と闘志を燃やした。

 憧れのOBがいる。北京五輪のノルディックスキー・ジャンプ個人ノーマルヒルで金メダルを獲得した小林陵侑だ。昨年6月には同校を訪問。中庭で生徒からの質問に答える姿を目に焼き付け「他の人にはないオーラがあった。同じ盛岡中央から金メダルが生まれたので自分も頑張りたい」と刺激を受けた。先輩のような大ジャンプで、ドラフト戦線のK点越えを果たしてみせる。(柳内 遼平)

 ≪小学生からの相棒・小笠原「プロに行って」≫小学生の時からバッテリーを組み、斎藤が「投げたい球をサインにしてくれる」と信頼を寄せる捕手・小笠原颯汰(3年)はこの夏で野球を引退する。プロ注目の斎藤の姿から「こういう人が上の世界でやっていくんだなと。自分は将来を考えて野球をきっぱりやめようと思いました」と決断。中学時代は岩手県選抜入りした強肩捕手は「人の役に立ちたい」と「体を動かす仕事をしたい」の二兎(にと)を追える消防士になることを目指して公務員試験の勉強に励んでいる。「相棒」と組む最後の夏に向けて「甲子園に出て響介にプロに行ってほしい」と言った。

 ☆球歴 滝沢小3年から竹の子スポーツ少年団で野球を始める。滝沢中では軟式野球部に所属し、3年時に岩手県選抜に選出。盛岡中央では1年夏からベンチ入り。

 ☆球種 スライダー、カーブ、フォーク、チェンジアップ。

 ☆未完の大器 奥玉真大監督は「軽自動車のボディーにF1のエンジンを積んでいる」と将来性を評価。

 ☆体づくり 母・敏江さんがお弁当に加えて、おにぎりやパンを持たせたことで体重は入学時の60キロから72キロに増量。「勝手に量を増やしても食べてくれました」と母。

 ☆名前の由来 音楽好きの父・晋さんが「響」の字を選ぶ。

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