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野球界にも「DOGSO現象」を! 元NPB審判員記者が考える「審判騒動」解決案

[ 2022年5月17日 08:30 ]

白井審判員(右)
Photo By スポニチ

 「DOGSO」という言葉を知っているだろうか。Jリーグの試合の開催日にはツイッター上で飛び交う、サッカーファンにとっての「公用語」だ。

 「DOGSO」とは決定機阻止に対するファウルの判定基準。「Denying an Obvious Goal-Scoring Opportunity」の頭文字を取った略称で「決定的な得点の機会の阻止」を意味する。

 (1)プレーの方向(2)反則とゴールとの距離(3)守備側競技者の位置と数(4)ボールをキープできる、またはコントロールできる可能性、の4条件が満たされると「決定的な得点の機会」とされ、この状況で守備側の選手が反則となるプレーをすると「DOGSO」となり、状況に応じた罰則が与えられる。

 この判定基準がなぜ、Jリーグファンに浸透したのか。それは「Jリーグジャッジリプレイ」という「DAZN(ダゾーン)」で配信されてきた番組の貢献が大きい。毎週、Jリーグで下されたジャッジについて、選手側と審判側からの目線で議論し、視聴者から寄せられた質問にも回答。「DOGSO」やオフサイドの基準などを実際の試合映像に合わせて検証し、ファン、サポーターの規則に対する「偏差値アップ」に貢献している。

 一方、野球界はどうか。一連の審判騒動でNPB審判員が「何に基づいて行動したか」など審判側の言い分は十分に発信されず、騒動は「大炎上」した。審判側として唯一、規則と現場の状況を考慮して解説していたのは「ワイドナショー」に出演した元NPB審判技術委員・山崎夏生氏くらいだ。

 いま、NPB(日本野球機構)に求められているのは情報発信ではないだろうか。「DAZN」で番組を開始しろ、というわけではない。NPB審判員に関する担当者を新たに1人置き、12球団の試合で起きたトラブルについて説明するというのはどうだろう。どの規則に基づいて「ジャッジ」したか、行動を取ったかを周知すれば、ファンも納得するはずだ。

 その職に先述の山崎氏を推薦したい。山崎氏はNPB審判員になる以前は、日刊スポーツ新聞社に勤務しており、自著を出版するなど「発信者」として適任だ。この新たな体制の構築は、チームにも審判員にもできないNPBがやるべき仕事になる。正しいルールがファンに伝われば、NPBが目指している野球振興にもつながる。野球界にも「DOGSO現象」が生まれることを願っている。(記者コラム・柳内 遼平)

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