関本賢太郎氏　西純が岡本との対戦で印象づけた球威と度胸　朗希より馬力はあると期待

セ・リーグ   阪神8-1巨人 （ 2022年5月1日    東京D ）

関本賢太郎氏
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　【関本賢太郎　視点】見事な西純の投球だった。インパクトがあったのは初回の岡本和との対決だ。結果は四球だったが、カウント3―1から5回、6回と梅野のサインに首を振って投げ込んだのが153キロの直球。鮮やかに空振りを奪い、球威と度胸を敵にも味方にも印象づけた。

　ここから直球でグイグイと押し、勝負どころではフォークが有効な球になった。7回の岡本和はフォークを当てるのが精いっぱいの一飛。巨人打線に対して一歩も引くことがない堂々たる投球だった。

　プロ3年目。下半身が明らかに大きくなり、球速が増し、角度もついていた。何よりも気持ちがいい。打席にも常に全力で取り組んだ。醸し出す雰囲気、躍動感、そして気迫は最近の阪神にはなかったもの。見ていても熱くさせる投球は、守っている野手にも伝わる。6回の梅野の逆転打も「勝たせたい」の気持ちが入っていた。味方を奮い立たせる投手なのは間違いない。

　借金を抱えるチームに若さあふれる戦力が加わった意味は大きい。大きな刺激剤となる。巨人を圧倒したこの投球を続ければ、もう鳴尾浜には戻らなくても済むはず。先発ローテの活性化にもつながる。今後は球数への配慮も必要になるが、同期のロッテ・佐々木朗よりも馬力はあると期待したい。