ガウスマンの魔球スプリット ボール球なのに72・9%も振ってしまう その理由

[ 2022年5月2日 09:04 ]

トロントでのアストロズ戦に先発したブルージェイズのガウスマン(AP)
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 ブルージェイズのケビン・ガウスマン投手が1日(日本時間2日)トロントでのアストロズ戦で先発。7回6安打2失点、10奪三振で、チームに3-2の勝利をもたらした。無四球で本塁打も打たれなかった。

 シーズン開始から5試合に先発し、20イニング以上を投げ、四球も、本塁打もゼロというのは、1906年のボストン・アメリカンズのサイ・ヤング以来という快挙。文字通りサイヤング賞レベルのピッチングとMLB公式サイトが称賛している。

 ガウスマンはここまで31回3分の2を投げ、41奪三振、防御率2・27。最大の武器はスプリットでこの日も39球を投げ、打者は27回バットを振り、半分以上の14回が空振りだった。

 デビッド・アドラー記者によると4月の4試合、打者はガウスマンのボールになるスプリットの72・9%にバットを出した。これはMLBがデータを取り始めた08年以降では、一番高い数字。過去最高は13年7月のランダール・デルガド(ダイヤモンドバックス)のチェンジアップに対してで67・1%だった。

 これだけボール球を振ってしまうのは併用する直球とボールの回転軸がほぼ同じで、軌道も直球が投手から見て右側に2・9センチ動くのに対し、スプリットが3・8センチと酷似しているから。打者からすれば見分けがつかず、16キロも遅く、途中から直球より57・7センチも落下していくのに、バットを止められない。昨オフ、5年、1億1000万ドルでブルージェイズと契約したが、期待以上の成績を残している。

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2022年5月2日のニュース