広島・末包 チーム内の雰囲気変える意気込み語る 菊池涼からの助言胸に結果と行動で俺が明るくする!

[ 2022年4月26日 05:30 ]

意気込みを語った広島・末包
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 広島の若手選手が本紙に特別コラムを寄稿する「若ゴイ跳ねる。」。第2回は新人の末包昇大外野手(25)が担当した。3月25日のDeNAとの開幕戦で決勝打を含む3安打1打点と鮮烈デビューを飾ってから1カ月が経過。出場機会が減少する時期を経て、現在は4試合連続で先発出場中と存在感が再び増している。結果と行動でチームの雰囲気を明るく変えようとする意気込みを本紙に独白した

 開幕からちょうど1カ月がたちました。開幕戦で3安打を放った後、大学時代を知る友人から「よくここまで這(は)い上がってきたな!」と連絡がありました。東洋大では補欠でしたが、大阪ガスでの3年間を経てプロ野球選手として出来すぎのスタートを切ることができました。ただし、長いシーズンは始まったばかり。一喜一憂しないと心に決めて戦っていく覚悟です。

 キクさん(菊池涼)からは「シーズンは143試合もあるのだから1、2打席の凡退でへこんでいる場合ではない」との助言をいただきました。「仮に打てなかったときもベンチを暗くすることはしない方がいいよ」と。何年間もレギュラーを張られている方は、こうして切り替えながら1年間戦っているのか…と痛感しました。「ベンチは活気がある方が絶対にいいから」とも話されていたので、僕もその雰囲気づくりに貢献できるようにと思っています。

 試合に出る出ないにかかわらず、チームの雰囲気を良くするメンバーの中心にはいたい。先輩方が新人でも声を出しやすい環境をつくってくださっています。ベンチは盛り上がっている方が絶対にいいし、暗いよりも明るい方がいいに決まっている。その部分は自分の結果に左右されることなくやっていきたいと思います。

 ベンチスタートだとしても毎日が勉強です。チョーさん(長野)から「そろそろ準備しておいた方がいいよ」「つながっていけば、このときに代打があるかもしれない」と試合の展開に応じた動き方を教えてもらっています。アマチュア時代は経験できなかった部分なので学ぶことばかり。先発から離れることもありますが、もっともっと長打を打てれば自然と出場数も増えていくと思っています。

 ただし「飛ばしたい」「強い打球を打ちたい」との気持ちは力みにつながる。上半身の力に頼ったスイングになるときがあるので、下半身の動きに重きを置いてスムーズな形で打てるように意識しています。キャンプから徐々に良くなっている実感はあるのですが、レギュラーをつかむためには、もう1、2段階、技術を上げないといけない。いまはその境目で、もがいているような感覚です。

 とはいえ、ゆっくりとプロの環境に慣れていければいい…とは思っていません。今年で26歳。高卒8年目の塹江と同い年です。1年目から結果を残せないなら、この年齢でプロに入った意味がない。今年が勝負の年です。1年目でダメなら、すぐに契約を切られてしまうという危機感を持って過ごしています。

 その中で多くの同期入団の選手と1軍で戦えていることが刺激になっています。昨年12月に新人入団発表会見で同期が広島に集まった夜、僕が音頭を取って大社卒の選手たちで食事に出かけました。俺たちの世代で頑張っていこうなという思いもあって声をかけました。結果だけではなく、中村健人が臆せずにベンチで声を出している姿からも「俺も負けられないな」と思える。そういう関係性を崩さずに切磋琢磨(せっさたくま)していければと思っています。(広島東洋カープ外野手)

 ◇末包 昇大(すえかね・しょうた)1996年(平8)5月27日生まれ、香川県出身の25歳。高松商では甲子園出場なし。東洋大では3年春からリーグ戦出場。大阪ガスでは21年の日本選手権で打率・450を残し、21年度の社会人ベストナイン(外野手)を獲得。21年ドラフト6位で広島に入団。今季3月25日のDeNA戦では58年古葉毅、森永勝治以来、球団新人3人目となる開幕戦3安打以上を決めた。1メートル88、110キロ。右投げ右打ち。

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