朗希を長期離脱させないために…開幕3連勝ながら抹消ににじむロッテ首脳陣の決意

[ 2022年4月26日 05:30 ]

出場選手登録を抹消されたロッテ・佐々木朗
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 ロッテの佐々木朗希投手(20)が25日、出場選手登録を抹消された。24日のオリックス戦で5回2失点で3勝目を挙げたものの、6安打を浴びてプロ入り後最多の5四死球を与えていた。今後は1軍に同行して調整を続ける。井口資仁監督(47)は以前から5月下旬からの交流戦までに登板間隔を空ける機会を設ける方針を示していたが、このタイミングでの抹消になった理由について、ロッテ担当の横市勇記者が分析した。

 少し前の話だ。球団関係者との雑談の中で、「(中6日で)5月1日に投げた後に抹消じゃないの?」との予想を聞いた。開幕から1カ月が経過し、佐々木朗にとっては疲労も蓄積する時期だ。しかも、5月1日はゴールデンウイークの日曜日。本拠ZOZOマリンでの開催で、営業的にも満員を見込める。17日に8回完全だった日本ハム戦と相性もいい。

 それでも、以前から井口監督は「どこかで一度飛ばしたい」と言及していた。17イニング連続完全投球で迎えた24日のオリックス戦は初回の先頭に右前打を許して記録が途切れると、平均球速も159・0キロと前回より0・7キロ遅くなっていた。前日は今後の登板について「明日以降のリカバリーを見て決める」と決断を保留したが、この日になって「ちょっと疲れもあるようなので本人、コーチと話し合い、抹消することにした。疲れを取ってベストコンディションで次回登板に臨んでもらいたい」と説明した。

 前投手コーチの吉井理人投手コーディネーターも「朗希を疲れさせない起用法が、結果的にはチームの勝利につながるのでは」と言っていた。パ6球団で争うペナントレースだが、この20歳は球団の枠を超えた存在となっている。他球団の投手コーチからは「年齢的にはまだ、大学3年生。中6日でいくと体が危険かもしれない」と心配する声も聞いた。

 疲れが見えたといっても、5回2失点で開幕3連勝を飾ったチームの勝ち頭だ。首脳陣からは改めて、長期離脱させないとの決意が感じられた。まさに「朗希ファースト」。前倒しとも映る抹消は最善の策なのだろう。

 再登録が可能となる5月5日は敵地での西武戦だけに、本拠地に戻る6日以降のソフトバンク3連戦で復帰する可能性もある。「次回は長い回を投げたい」という佐々木朗は、ZOZOマリンの室内練習場で2時間、汗を流した。この休養によって、怪物級の投球が再び見られるような予感もする。(横市 勇)

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2022年4月26日のニュース