エンゼルス・大谷 「オールドスタイル」でマルチ安打 気分一新2安打2得点

[ 2022年4月26日 02:35 ]

ア・リーグ   エンゼルス7-6オリオールズ ( 2022年4月24日    アナハイム )

<エンゼルス・オリオールズ>4回、盗塁を仕掛ける大谷(撮影・光山 貴大)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(27)が24日(日本時間25日)、オリオールズ戦で14打席ぶりの安打を含む2安打2得点でチームの連敗を2で止めた。メジャーで初めてズボンの裾を膝下まで上げた「オールドスタイル」で試合に出場して躍動。打率が2割台前半に低迷していることで開幕から全16試合での1番起用に懐疑的な姿勢を示していた一部の米メディアもあったが、リードオフマンの役目を果たした。

 エンゼルスカラーの赤いアンダーソックスの上に赤いストッキングをはき、ズボンを膝下まで上げた。前日まで10打席連続で安打が出ず、チームも2連敗で首位陥落。何かを変えたい――。大谷が自らの「着こなし」を変化させたのは極めて珍しかった。

 大谷のオールドスタイルは代打待機で出番がなかった19年の「母の日」以来だ。クラブハウスの席が大谷の隣である救援右腕ブラッドリーが「翔平のように何か違うことをしてでも、我々は勝つ必要があった」と語るように大事な一戦。その思いは終盤に実を結んだ。同点とされた直後の7回。先頭打者で内角球を捉え一、二塁間の狭い守備シフトを抜いて14打席ぶりの安打の右前打を放った。続くトラウトの大きな飛球では右翼手が背中を見せて捕球した隙を突き、タッチアップで二塁へ進塁。見た目と同様のシャープな動きで相手に重圧をかけ、満塁から押し出し四球で決勝のホームを踏んだ。

 8回は中前打で今季4度目のマルチ安打。地元中継局バリースポーツ・ウエストは大谷のスタイルを「イチロースタイル」と呼び、ジョー・マドン監督も「少し背が低く見えたけど似合っていた。彼はすぐホット(好調)になる」と語った。この日は気温31度まで上昇。右腕だけアームスリーブを付けた半袖スタイルも“レア”だった。

 開幕から全16試合に1番でフルイニング出場中。打率が2割台前半に低迷しており、一部の米メディアからは大谷を1番に置くことに懐疑的な声も出ていた。マドン監督は打順の質問を受けた際は「1番で起用することで(2番以降のトラウト、レンドンら)良い打者に守られる」と強調。実際に昨季に連発された申告敬遠は今季はまだ1度しかない。

 3連敗を免れ首位マリナーズと1ゲーム差の2位を堅守。この日、大谷は自らの顔の前に×(バツ)をつくり取材対応はなかったが、表情は明るかった。(柳原 直之)

 ▽オールドスタイル クラシックスタイルとも呼ばれるユニホームの着こなしの一つで、ズボンの裾を膝下まで上げてストッキングを見せる。野球の草創期である19世紀、オランダ移民がはいていたズボン「ニッカーボッカー」をユニホームとして着用していたチームがニューヨークにあり「ニッカーボッカーズ」と呼ばれた。これがオールドスタイルの起源と言われる。

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