金本知憲氏 まだ4月、現状打破へ選手は練習あるのみ。いい形を少しでも早く取り戻すこと

[ 2022年4月26日 05:30 ]

金本知憲氏
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 【金本知憲 虎への金言】開幕して、ちょうど1カ月。阪神は予想もしていなかったほどの出遅れになった。大型連勝が何度かなければ、勝率5割に戻すだけでも相当な時間がかかる。首位・巨人はもっと上にいる。先を考えすぎると重くなる。チームの雰囲気はどうか。暗くなっていないだろうか。

 ただ、まだ4月だ。モチベーションを落とすには早過ぎるし、そんなことは決してないだろう。昨季は両リーグ最多の77勝。スアレスが抜けるなどの変化はあっても、チームとして戦力がそこまで落ちたとは思わない。個々で見ても、近本、大山、佐藤輝、中野ら力のある選手がいる。負けの内容を見れば、0―1が4度もあるなど僅差も多い。力負けしているわけではない。

 投手が抑えれば打線が点を取れず、打線が点を取れば投手が抑えられない。かみ合わない時期は1年間で見れば必ずある。それが最初に来た。乗っているときは何をやっても勝てるし、逆に何をやっても勝てないこともある。個々がしっかり状態を上げ、チームとして、かみ合う時期を早くつくるしかない。神宮3連戦の最後に兆しは見え始めた。

 選手にできることは、やはり練習だ。現役時代に出遅れた経験はある。練習しかなかった。自分なりの練習をして、いい形を少しでも早く取り戻すこと。選手個々にできるのは、それしかない。

 苦しい状況にあって青柳は素晴らしい投球を見せている。復帰から2戦連続で力投。いずれもチームの連敗を止めた。見事に“コントロール投手”に成長した。監督になった直後の15年ドラフトで「面白い素材を…」と要望して5位で指名。いまの姿は決して予想外ではない。当時の坂井オーナーや球団社長らに「コントロールさえ身につけば、12~13勝しますよ」と言っていた。自信もつけ、自分の球を思い通りに操れるようになった。

 同じ15年ドラフトで1位指名した高山も2年ぶりに1軍に呼ばれた。先発出場のチャンスを多く得るには、限られた出番で結果を出すしかない。とんでもない球を空振りするなど凡打の印象が悪いが、それも自分の“特長”と割り切っていい。他の打者がしないようなアウトのなり方をする代わりに、他の打者が打てないような球を安打にできるのだから。彼も力のある選手の一人だと思っている。

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2022年4月26日のニュース