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「AI審判」導入論に対する一考察 審判が人間だからこその駆け引きも

[ 2022年4月26日 07:40 ]

24日のオリックス戦でのロッテ・佐々木朗(
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 ロッテ・佐々木朗希投手(20)が24日のオリックス戦で球審の白井一行審判員(44)に判定への態度について詰め寄られた場面が大きな話題を呼んでいる。こうした審判が絡んだ話題になると、必ずと言っていいほど出てくる「AI審判」導入論。賛否両論あるが、それには異議を唱えたい。

 確かにリクエスト制度によって誤審は減る。高校野球などアマチュア野球でも同制度があればいいのにと思うこともある。その一方で、どこかつまらなさも感じる。アウトをセーフに見せる速いスライディングやセーフをアウトに見せるタッチも技術が必要。特に盗塁の際の走者と守備の攻防には野球の醍醐味が詰まっている。パドレスのダルビッシュ有投手(35)も音声配信アプリで「(AI審判に)そうなったらそうなったで、そもそも野球人気がってところが気になる」と話していた。

 審判が人間だからこその駆け引きもある。それぞれが持っている癖。それを生かすのもテクニックだ。この審判は「低めが広い」や「内は辛い」など。記者も大学まで14年間野球をやってきたが試合の中でいち早く審判の癖をつかみ、それを生かせるチームほど強いと感じた。「外が広い」と感じたら徹底的にそこを突く。それを打者にすり込ませたら、そこからボールになる変化球を振らせる。「AI審判」で機械的なストライクゾーンだったら単純に、打った、投げた、の野球になり、ボールをストライクに見せる捕手のフレーミングなどの技術も必要なくなってしまう。

 打者と投手に相性があるように選手と審判にも相性がある。巨人のドラフト3位の赤星優志投手(22)は24日の中日戦で2回1/3を6失点でKOされた。新人ながら試合前まで4試合で防御率1・69と抜群の安定感を見せていたが、低めの際どいコースを取ってもらえず4四球も与えた。1球でもストライクと判定されていたら結果は変わったかも知れない。だが、それも野球だ。

 もちろん感情に左右された判定はあってはならないし、誤審もない方がよい。トラックマンなど最新機器の導入で技術は上がっているが、機械ではなく、人の目だから駆け引きやドラマが生まれる。(記者コラム・小野寺 大)

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