ロッテ・朗希 白井球審に凄まれた 18歳・松川が制止…井口監督「冷静にいきましょうよ」

[ 2022年4月25日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ6―3オリックス ( 2022年4月24日    京セラD )

2回、ロッテ・佐々木朗(手前左)に詰め寄る球審の間に入る捕手の松川(奥右)
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 ロッテ・佐々木朗希投手(20)が24日、オリックス戦に先発し、5回6安打2失点で開幕3連勝を飾った。2試合、17イニングを完全投球で迎えたが、初回先頭への初球で右前打された。ストライク率65・6%と制球が乱れ5四死球を与え、打者を圧倒した直近2試合の面影はなかった。2回には球審の白井一行審判員(44)から判定への態度について詰め寄られる場面も。多くの記録は止まり、歴史的な記録への挑戦は仕切り直しとなる。

 2回2死一塁から、一塁走者の杉本に二盗された直後だ。白井球審が怒気を含んだ表情で一、二歩とマウンドへ詰め寄り凄まれると、佐々木朗は「(なぜ、そうなるのか)僕は分からない」と固まった。

 追い込んでから安達への3球目は、狙い通りに外角低めに決まったと思った。ところが、判定は「ボール」。盗塁されたことよりも、三振にならなかったことに驚くような表情を浮かべていた。

 18歳捕手・松川が間に入り、ベンチから出た井口監督が「判定に対して、何かを言ってはいけないと思う。ただ、球審にも“もうちょっと冷静にいきましょうよ”と話をした」とその場を収めた。

 10日のオリックス戦で完全試合。17日の日本ハム戦でも8回まで完全投球で交代した。17イニング完全の記録がどこまで続くか注目された中で、初回の先頭・福田に初球の159キロを右前打された。「記録の意識はなかった」と言っても、3日西武戦から続いていた打者連続アウトは52人でストップ。その後1死一、二塁となり吉田正に左前打されたが、左翼手・高部の本塁好返球の補殺で助けられた。

 2回以降も毎回走者を背負い、3者凡退はゼロ。4回に自己最速タイの164キロを出したが、この日の平均球速は159・0キロ。前回登板から0・7キロ落ちていた。ストライクゾーンが厳しかったことも響き、4回に3月27日の楽天戦以来29イニングぶりの四球を与えるなど5四死球。打者を圧倒した直近2試合の面影はなかった。5回無死満塁で投ゴロに打ち取りながら、本塁ではなく二塁転送で併殺を奪い、その間に23イニングぶりの失点。結局5回2失点90球で降板した。

 「ストライクを取ることにいっぱいいっぱいになってしまった。苦しい形に自らしてしまうことが多かったが、味方の得点以上を取られないように、できたのは良かった」

 登板間隔を空けた昨季と違い、開幕から中6日で回ってきた疲労がある。本拠地だった直近2試合と異なり今季初のドーム球場で「マウンドの傾斜が高くて風がなかった。対応が難しかった」とも加えた。それでも開幕3連勝。井口監督は「いろんな判定も含めイライラして投げていたと思うが、しっかりゲームをつくってくれた」と評価した。調子が悪い時に、どんな投球を見せられるのかは、大エースに求められる資質の一つ。まだプロ通算16試合目。怪物は一歩ずつ肥やしとしていく。(横市 勇)

 ≪米メディアも報道≫注目していた米メディアも佐々木朗の完全投球が17イニングで途切れたことを速報した。CBSスポーツは「日本の天才の完全投球は初球で途切れた」と伝えた。海外FA選手獲得ルールにより契約金の制限がなくなる25歳を迎えるまでは米挑戦は難しいと指摘。その上で「米国のファンが初めて佐々木を見るチャンスはWBCだ」と来年3月予定の国際大会を挙げた。

 ≪フォークの空振り率半減≫ロッテ・佐々木朗はこの日、完全投球を続けた過去2戦よりも投球数値が落ちた。直球は自己最速タイの164キロをマークも、平均球速は10日の159.8キロ、17日の159.7キロから159.0キロに。また、投球のうちストライクとなった割合を示す「ストライク率」も全体で70%を超えていた過去2試合を下回る65.6%だった。最も顕著なのは投球中、空振りを奪った割合を示す空振り率。特に10日に54.5%だったフォークは、この日27.6%と約半分の割合となった。

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