西武3年目捕手・柘植世那 社会人時代にバッテリー組んだ先輩・滝中討ち

[ 2022年4月25日 05:30 ]

パ・リーグ   西武6―3楽天 ( 2022年4月24日    ベルーナD )

<西・楽>2回、2ランを放った柘植(左)はチームメートに出迎えられる(撮影・尾崎 有希)
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 「ギア」を一段上げ打席に向かった。西武・柘植は、社会人時代の先輩でプロに同期入団した滝中との初対戦を心待ちにしていた。

 「バッテリーを組んで仲良くさせてもらっていた」と今でも連絡を取り合う仲。投球に関しては「イメージはあった」と言った。

 3年目捕手の名前「世那(せな)」は、F1好きな両親に故アイルトン・セナと、90年代に社会現象になったドラマ「ロングバケーション」で木村拓哉が演じた瀬名から命名された。運命のようにセナが活躍したサーキット近くに本拠地を持つHonda鈴鹿に入団。滝中と出会った。

 2軍戦でもなかった初対戦は2回に2点を先制して、なお1死一塁。直球を捉え、左翼席に1号2ランだ。「後で何か言われないように絶対打ってやろうと思った。でも滝中さんいい人なので。(本塁打のことを)僕からはLINE送らないです」と喜びすぎには「ブレーキ」をかけた。

 森の離脱後は牧野が先発捕手を務めていたが、19日のロッテ戦から柘植に代わって5試合で4勝1敗。3試合連続完封勝利にも導いた。「点を取られないよう必死でやっている」と、この楽天3連戦で西川の2つを含む計4つの盗塁を刺した。

 この日着用した水色の復刻ユニホームは96~01年に使用されたモデルで、当時は伊東勤氏(スポニチ本紙評論家)が正捕手だった。投手の良さを引き出すリードと右の強打が少し重なった。「前面に感情を表現して、一試合一試合全力で戦っていきたい」。チームを2カード連続勝ち越しに導き、3位に再浮上させる「大車輪」の活躍だった。(神田 佑)

 ◇柘植 世那(つげ・せな)1997年(平9)6月3日生まれ、群馬県出身の24歳。高崎健康福祉大高崎では1年夏からベンチ入りし、秋からは正捕手。2年夏から3季連続甲子園出場。Honda鈴鹿では18年日本選手権で8強入りした。19年ドラフト5位で西武入団。昨季は主に代打として35試合に出場した。趣味は釣り。1メートル74、90キロ。右投げ右打ち。

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