明石商 鍛錬の冬は夏に夢をかなえるための滑走路 狭間監督「やるからには日本一」

[ 2022年1月24日 23:39 ]

明石商・狭間監督                            
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 公立の雄が一丸で、3年ぶりの夏の聖地に挑む。2019年甲子園大会で、春夏連続で4強に進出した明石商(兵庫)が鍛錬の冬を過ごしている。昨秋兵庫大会では3位決定戦で敗戦。近畿大会に出場することができず、今春選抜大会の出場は絶望的となったが、狭間善徳監督(57)、選手達の視線は力強く夏へと向いている。

 スポニチでは同校の冬の練習に1日密着。効率よくハードな練習に打ち込む選手の姿を徹底取材した。チーム一丸で目標へと突き進む様子を、YouTubeチャンネル「スポニチ ドラフトチャンネル」で公開する。

 元気のいい声が、グラウンドから絶えることはない。野球人口の減少が危惧される昨今。だが世の流れと反比例するように明石商には毎年、入部希望者が殺到する。昨年12月時点の部員数は66人。例年、1年生を迎え入れる4月には、部員は100人前後まで増加する。狭間監督は個性の異なる部員一人、一人に目を配る。

 「明石商で野球がしたい、明石商で甲子園に行きたいと思って入って来てくれた選手。全員に同じメニューをさせます」

 力量の違いによる班分けこそするが、大会前以外は4班全てに同一の練習メニューを課すことが信念。必然的に練習時間は長くなる。冬の休日の場合、練習は午前8時30分にスタートし、午後5時30分頃まで。だがハードな練習は、甲子園に行くためだけではない。「しんどい思いをたくさんした人間ほど、人の痛みが分かるようになる」と人間形成に主眼を置く。

 稲岡俊太主将(2年)はミーティングなど対話を重視し、部員をけん引する。地元・明石市出身で、狭間監督のもとで野球をするため、明石商入学を決めた。「全員に目を配っていただいて、すごい人だと思います」と言う。尊敬する指揮官と一緒に聖地に立つために、グラウンド内外で「一番、自分がやるように意識しています」と力を込める。

 2020年のロッテドラフト2位・中森俊介投手(19)、同オリックス3位の来田涼斗外野手(19)を擁した3年前は春夏とも頂点まで、あと2勝が届かなかった。狭間監督は「やるからには日本一。その景色を子どもたちと見てみたい」と話した。公立校の夏の甲子園大会優勝は07年の佐賀北(佐賀)が最後。激戦区・兵庫で存在感を示す公立の雄が、一丸となって15年ぶりの快挙に挑む。

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