ヤクルト・奥川 開幕投手「目指したい」球団高卒3年目投手最高額3600万円で契約更改

[ 2021年12月18日 05:30 ]

契約更改を終え、「柱になる」と記した色紙を手にポーズを取るヤクルト・奥川
Photo By 代表撮影

 今季9勝でリーグ優勝と日本一の原動力となったヤクルトの奥川恭伸投手(20)が17日、都内の球団事務所で2000万円増の年俸3600万円で契約を更改。日本一連覇を目指す高卒3年目の来季は初の開幕投手を目指すことを宣言した。

 充実したシーズンを送ったものに許される笑顔。グレーのスーツに身を包んだ奥川も爽やかに笑った。球団の高卒3年目の投手では歴代最高額となる3600万円で契約を更改。「いい経験ができたシーズン。来年以降につないでいけるようにしたい」と語った右腕が、さらに大きな目標をぶち上げた。

 「目指したい場所。(シーズンの)一番初めにマウンドに上がる。先発ピッチャーはそこを目指して頑張る」

 チームがリーグ連覇と2年連続日本一を目指す来季。高卒3年目だが、自覚は十分だ。狙うは開幕投手。高卒3年目での大役となれば球団では最速タイ記録で、52年の金田(当時国鉄)以来、実に70年ぶりの快挙となる。

 2年目の今季は開幕ローテーション入りを果たし、4月にプロ初勝利。チームの育成方針で原則的に中10日で登板し、チームトップタイの9勝(4敗)、防御率3・26で、6年ぶりのリーグ優勝に貢献した。CS、日本シリーズではともに初戦に先発。CSファイナルSでは巨人打線を相手にプロ初完封を飾り、日本シリーズではオリックス・山本と投げ合って7回1失点に抑え、20年ぶりの日本一にも大きく貢献した。

 「(CS、日本シリーズで)初戦を任せてもらえてうれしかった。(来年以降も)大事な場面で任せてもらえる投手になりたい」と奥川。仮に来季に開幕投手を務めても、それで終わりではない。中6日でローテーションを守り、投手陣の柱となることが期待される。「自分としてはそこ(中6日)を目指して練習する」と語り「規定投球回(143回で今季は105回)を目指せたら」と設定した。

 くしくも同学年のライバルであるロッテ・佐々木朗との同日更改で600万円も上回ったが、目指すのは億万長者ではなく、チームを確実に勝利へと導く絶対的なエース。自覚を胸にオフを過ごす。

 ≪カネやん以来70年ぶり大役なるか≫ヤクルト高卒投手で入団後、最も早く開幕投手を務めたのは52年金田正一(当時国鉄)の3年目。奥川が高卒3年目で大役となれば、球団70年ぶりの最速タイとなり、ドラフト制以降では86年荒木大輔、90年内藤尚行の高卒4年目を抜く球団最速になる。なお、金田は勝敗なし。両リーグで高卒3年目までに開幕投手で勝利は15年大谷翔平(日)まで6人いるが、奥川はどうか。

 ≪高卒3年目野手では村上が球団最高額≫来季3年目となる奥川が年俸3600万円で契約を更改した。ヤクルトの高卒3年目では20年村上の4500万円に次ぐ2番目の高年俸。投手に限ると10年由規の2600万円を抜いてトップとなった。なお、高卒3年目の最高額は01年松坂大輔(西)、15年大谷翔平(日)の1億円。

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