起死回生のオリックス劇場 2点劣勢の9回に宗が同点打「三振オッケーで、当てにいかないように」

[ 2021年11月21日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2021第1戦   オリックス4-3ヤクルト ( 2021年11月20日    京セラD )

<オ・ヤ>9回無死満塁、同点2点適時打を放ち、ガッツポーズで雄叫びを上げる宗(撮影・北條 貴史)
Photo By スポニチ

 ヒーローこそ吉田正に譲ったが、貢献度はピカイチだった。2点劣勢の9回無死満塁。オリックス・宗が同点の2点打を放ち、逆転サヨナラへのバトンをつないだ。

 「信じられないです。後ろが正尚さん、ラオウさん(杉本)といたんで、別に三振オッケーのつもりで、当てにいかないよう心がけました」

 迷いはなかった。カウント1―2と追い込まれたが、後続の頼れる3、4番コンビを信じ、フルスイングを貫いた。マクガフの外角低めの難しいスプリットを捉えると、白球は中前へ。起死回生の同点打に一塁ベース上で喜びを爆発させた。

 「ホームランで1―3になって、終盤だったんで痛いなと思っていたんですけど、それも野球だし、日本シリーズ、1位同士の戦い。もう勝つしかない。9回も全員が最後まで諦めず戦っていったんで、すごい、今年一のつながりできた」

 誰一人として諦めてはいなかった。先頭の紅林が「ジョーンズがいたので、後ろに回そう」とフルカウントから右前打。代打・ジョーンズもフルカウントから四球を選んだ。いずれもカウント1―2と追い込まれてからの連続出塁。続く福田の投前バントが犠打野選を誘って満塁となり、舞台は整った。

 「緊張しすぎて体が思うように動かず、ガチガチでした」

 7年目で初めて踏みしめた大舞台。独特の雰囲気にのまれたのか、2回の三塁守備では失策を犯していた。徐々に平常心を取り戻し、3回は右中間二塁打。5回の四球と合わせた3出塁で、打線を活性化させた。

 「この勝利はめちゃめちゃデカい。チームにとって勢いの出る1勝だと思いますし、相手もあることですが、いい戦いを最後までやっていきたい」

 今季から三塁にコンバートされ、定位置をつかんだ中嶋チルドレン。恩返しの戦いはまだ始まったばかりだ。

続きを表示

2021年11月21日のニュース