花巻東の“新怪物” 佐々木麟太郎、全国デビュー戦で初スイング弾 高校通算48号は右翼へ特大先制ソロ

[ 2021年11月21日 05:30 ]

明治神宮野球大会第1日 高校の部1回戦   花巻東6-3国学院久我山 ( 2021年11月20日    神宮 )

<花巻東・国学院久我山>初回2死、先制ソロ本塁打を放つ花巻東・佐々木(撮影・木村 揚輔)
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 開幕し、高校と大学の部で1回戦計4試合が行われた。昨年はコロナ禍で行われなかったため、2年ぶりの開催で高校の部では初出場の花巻東(東北)が国学院久我山(東京)に逆転勝ち。佐々木洋監督の長男・麟太郎内野手(1年)が高校通算48号本塁打を放つなど3打点を挙げた。大学の部では神奈川大(関東5連盟第2)が龍谷大(関西5連盟第2)を2―1で下し、8強入りを決めた。

 生まれて初めて打ったホームランは「小学4年か5年の頃」という。日付は忘れたが両手に残る感触は今でも思い出せる。右翼への大飛球だった。麟太郎は「一本で点数が取れる。ホームランは気持ち良かったですし自分にとって特別なものになった」と回想する。

 注目される大舞台で結果を残すのは、スターの系譜を受け継いでいる証拠か。初めて足を踏み入れた神宮球場で、そのファーストスイングだった。初回2死。左腕が投じた2球目、外角132キロを、あの時と同じ右越えに運んだ。高校通算最多とされるのは早実・清宮(現日本ハム)の111本だが、早くも48号。「チームのために、と思っていた。先制点が入って良かった」と喜んだ。3回、7回はいずれも同点となる中犠飛。計3打点の息子を佐々木監督は「大会前は調子が悪かったが流れをつかむ先制弾だった」と評価した。

 入学直後に計測した打球速度は167キロ。メジャー最多762本塁打を放ったバリー・ボンズを参考にした豪快なフォームで打撃練習ではゴロを打たない。同校OBの大谷(現エンゼルス)のように豪快に振り上げることを染みこませてきた。憧れの先輩は前日19日にア・リーグのMVPを受賞。先輩への祝砲にもなり「翔平さんの背中を見て花巻東に入った。一歩でも近づきたい」と力を込める。

 10月の東北大会中に左すねを痛めた。優勝を決め、病院で検査すると疲労骨折が判明した。練習中は痛み止めを服用するが「眠気や胃の負担になる」と試合当日は飲まない。「痛みはある」という体でフルスイングを貫き、チームを神宮大会初勝利へと導いた。

 中学時代、オンラインで元巨人の高橋由伸氏に指導してもらったことがある。「抽選で当たってバットの出し方を指導してもらった」と麟太郎。その高橋氏も慶大時代に活躍した場所で、衝撃の全国デビューを果たした。(川島 毅洋)

 ◇佐々木 麟太郎(ささき・りんたろう)2005年(平17)4月18日生まれ、岩手県出身の16歳。幼少時から「江釣子スポーツ少年団」で野球を始め、江釣子中では大谷の父・徹さんが監督を務める金ケ崎リトルシニアに所属。花巻東では1年春からベンチ入り。1メートル83、113キロ。50メートル6秒9、遠投90メートル。右投げ左打ち。

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