ヤクルト・奥川 20歳奮投も白星スルリ…7回1失点実らずペンチでぼう然

[ 2021年11月21日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2021第1戦   ヤクルト3-4オリックス ( 2021年11月20日    京セラD )

<オ・ヤ>7回1死、代打・モヤ(上)に同点ソロホームランを打たれ、ガックリの奥川(撮影・椎名 航)
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 静まり返る三塁ベンチ。ヤクルト・奥川はぼう然とグラウンドを見つめた。守護神・マクガフが9回の2点リードを守ることができず、まさかの逆転サヨナラ負け。しばらくその場を動けなかった。

 試合後、高津監督は奥川を初戦のマウンドに送った理由を語った。「ぜひヤス(奥川)を相手の山本投手にぶつけたいと初戦に指名した。相手のピッチャーを意識しながら、いいゲームの引っ張り方をしてくれた」。高卒2年目右腕は、その期待に見事に応えた。

 3回まで毎回のようにピンチを背負ったが、粘った。今季のパ・リーグで投手の主要タイトルを独占した山本と堂々と渡り合い、5回2死一、二塁では吉田正を150キロの速球で中飛に仕留めてガッツポーズも披露。最速152キロを記録するなど7回6安打1失点にまとめ「自分的にはいい内容とは言えないけど、(捕手の)中村さんのリードや野手の方の守備に助けてもらいながら投げることができた」と振り返った。

 プロ初完封したCSファイナルS初戦に続く好投だった。闘争心をむき出しにして相手に立ち向かった若武者に触発された打線は1―1の8回に村上が勝ち越し2ラン。一時は奥川に57年の西鉄・稲尾和久の20歳4カ月に次ぐ歴代2位の若さとなる20歳7カ月での日本シリーズ初戦白星の権利が発生したが、最後の最後に暗転した。

 19年夏の甲子園で星稜のエースとして準優勝に導いてからわずか2年。最高峰の舞台で力を発揮した。シーズン中は最短で中9日での登板だったが、97球と余力は残しただけに第7戦までもつれれば中7日で起用される可能性もある。これで同シリーズでセのチームはパに13連敗となったが、まだまだ頂上決戦は始まったばかり。次回登板を信じ、準備する。(青森 正宣)

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2021年11月21日のニュース