履正社・岡田監督 日本S生観戦で、T-岡田と山田が並ぶ姿に「感無量。指導者冥利に尽きる」

[ 2021年11月21日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2021第1戦   オリックス4-3ヤクルト ( 2021年11月20日    京セラD )

<オ・ヤ>試合を観戦する履正社高校・岡田監督(撮影・椎名 航)
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 オリックス・T―岡田外野手(33)とヤクルト・山田哲人内野手(29)を高校時代に指導した履正社・岡田龍生監督(60)が京セラドームに駆けつけて第1戦を観戦した。来年3月に定年を迎え、来春からは東洋大姫路の監督に就任。山田の成長を促したT―岡田との出会いを明かした。

 夢に見た対決が実現した。京セラドームのネット裏から岡田監督も熱い視線を注いだ。「どっちかを応援するわけにはいかんから、スタンドの真ん中で見たかった。中立なところで観戦したかったんやけど、取れた場所はちょっと三塁寄り。山田側になってしまいましたね」と苦笑しながら、それぞれに精いっぱいの拍手を送った。

 教え子としては対照的な2人だった。T―岡田は03年の入学当時から「プロになる」という高い意識を持っていた。「高校生でこんなに飛ばすやつがおるんか」と強烈な印象を受け、指導も当初からプロ入りを前提にしたものになっていた。「一塁しかできんかったらプロでは外国人との競争になる」と外野守備や走塁のレベルアップを図った。

 一方、5年違いで入学した山田は身体能力、センスは光るが、意識という点では物足りなく感じたという。2年冬の進路面談で「プロに行きたい」と初めて聞いたときにも通用するか疑問で、「今度、先輩のT―岡田が学校に来るから、プロはどんなところか聞いてみろ」と伝えた。

 「先輩に聞いて、山田は変わった。こんだけ変わるんかと驚くくらい練習から違った。山田の成長を思うと、Tという先輩の存在は本当に大きかったと思うんです」

 来年春から母校・東洋大姫路の監督就任が内定し、履正社監督としては最後のシーズン。フェンス激突好捕のヤクルト・宮本も含め、OBが3人出場する最高のゲームになった。「素晴らしい試合やった。宮本もすごいプレーだったし、Tも山田もヒットを打った。一塁で2人が並ぶ姿に感無量でした。指導者冥利(みょうり)に尽きます」と目を細めていた。(鈴木 光)

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