新庄監督「“次、走れ”と伝えるかも」三塁コーチ兼任も ベンチからだとコース分かりにくいため

[ 2021年11月21日 05:30 ]

身ぶりを交えて上田コーチと話す新庄監督(撮影・白鳥 佳樹)
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 ベンチにどっかりと腰を据えるタイプではない。ファンもアクティブな姿を期待する。日本ハムの「ビッグボス」こと新庄監督が来季に三塁コーチを務める考えを示した。黒のジャケット姿で就任後初めて千葉・鎌ケ谷の2軍施設を訪問。初めて監督としてコーチミーティングも行い、またも改革案を示した。

 「ベンチからの角度だと(コースが)分からないから中堅の方にいきたい。だからサードコーチャー。“確かめ”です。それで(ベンチに)戻ってアドバイスを変えるとかね」

 現役時代は中堅手で投手の投球コースによって守備位置を変えていた指揮官。三塁コーチは常時ではないとしつつ、マル秘プランを披露した。04年球宴で本盗を成功させており「“次、走れ”と伝えるかも」と自らの嗅覚を走者に伝えられるメリットも強調した。

 ただ、現役時代から直感を大事にしていた規格外の男らしく「サインを覚えられるかな…」と吐露。「選手が間違えるより怖い。キャンプ中もトイレの前に(ブロックサインを)書いて貼っておく」と笑った。その他も定期的に一、三塁コーチや1、2軍のコーチまで入れ替える案も披露。組織をマンネリ化させたくない考えだ。

 同球場のグラウンドに足を踏み入れるのはメジャー帰りで日本ハム1年目だった04年以来、実に17年ぶり。来季は上沢とともに先発の柱として期待する伊藤とも初対面を果たした。話題が枯渇するオフは「たくさんバラエティー(番組)に出てファイターズという名前を知ってもらいたい。働きまくります」と意欲。この日に開幕した日本シリーズも「来年はオリックスと戦わなければいけない」と戦力分析にも着手する。

 過去にも多くの名将、知将が三塁コーチを兼任している。誰にも負けないオーラをまとった男が三塁コーチで目を光らせれば、相手の脅威となるはずだ。(東尾 洋樹)

 《過去の主な監督兼任ベースコーチ》☆ロッテ・金田正一 就任1年目の73年に三塁コーチを務める。ファンサービスの目的が強く「カネやんダンス」など派手なパフォーマンスで人気を博してパ・リーグの観客動員に貢献。

 ☆巨人・長嶋茂雄 監督初就任の75年に一塁コーチを兼任。現役時代の72~74年に川上哲治監督の要望で打撃コーチを兼任。名将の後を引き継いで監督に就任し、グラウンドから士気を高めた。

 ☆オリックス・仰木彬 イチローがメジャー移籍後の01年はオープン戦から三塁コーチを兼務。狙いはチームを活気づけるため。就任当初から何度か立つことはあったが、この年はシーズンも全140試合で立ち、陣頭指揮を執った。

 ☆西武・伊原春樹 作戦・守備走塁コーチから監督に昇格した02年に攻撃時は三塁コーチも兼務。同年は90勝を挙げ、4年ぶりのリーグ優勝を達成した。

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